再びつながる人々の光を描くドキュメンタリーシリーズが配信開始

新たな希望を描く『灯りのようなものが、たしかに』

社会の分断が深刻化している現代、そんな状況を背景に誕生したWEBドキュメンタリーシリーズ『灯りのようなものが、たしかに～ある出所者と雇った人たちの七つの物語～』が、2025年12月1日より配信をスタートします。本作では、全国各地で出所者とそれを受け入れる雇い主との物語が描かれ、再び人とのつながりを見つけ出す様子を通じて、人間関係の重要性を伝えていきます。

本シリーズは、UHB北海道文化放送と日本財団の共同制作によるもので、大阪、岡山、福岡、熊本など、全国7ヵ所を舞台に出所者たちがどのように社会と関わっていくのか、各エピソードが興味深く描かれています。出所者たちは、窃盗や詐欺、覚せい剤の罪で受刑し、その後、深刻な人手不足に悩む飲食店や建設業、福祉事業所などに就職となるのです。

今回の作品の大きなテーマは、偏見を乗り越えて新たな一歩を踏み出す勇気を持つ出所者たちと、その人たちを支える雇い主の姿です。彼らはそれぞれの背景を抱えつつ、他者との関係を築くことで再半する道を模索しています。日本においては、最近のデータから、2023年の再犯率は47%と高く、無職という状態の人々がその多くを占めていることが判明しています。そうした中で、本作は出所者に対し、再び職を与え、居場所や仲間を提供することで、その再犯率の引き下げを目指す日本財団職親プロジェクトと連動し、希望の光を描いていきます。

多彩な表現で伝える物語

映像制作には、知的障害を抱える出所者が犯した通り魔殺人事件を扱った過去のドキュメンタリーを手掛けたUHB北海道文化放送・映像プロデュース室が関わっています。また、受賞歴を持つ写真家・岡田敦氏が撮影チームに参加し、出所者の表情や雰囲気を捉えた貴重な写真も展開されます。この映像と写真のコラボレーションは、人間存在の理解を深めるための新しい試みであり、視聴者に深い感動を与えることでしょう。

さらに、阿南亮子氏による美しいオリジナル音楽もこの作品を彩り、再犯防止に取り組む本作と日本財団の共同制作が現代社会の分断を越えて人間の尊厳ある生き方を描く手助けとなることを示しています。

各話の内容

本シリーズは全8話構成で、それぞれ独立したストーリーを持つオムニバス形式になっています。特に第1話の「大阪編」では、窃盗の罪を犯した後、経営者の厚意で再びかつての焼肉店で働く31歳の男性の姿を描きます。彼の心の中に芽生え始めた希望の光は、さまざまな困難を乗り越える力を示しています。

第2話「福岡編」では、孤立無援の状況から特殊詐欺に手を染めた女性の語りを通じて、なぜ人が罪に走るのか、彼女が再度生きる力を見出しようと奮闘する姿が描かれます。

各エピソードの長さは約13分前後を予定しており、視聴者に感動と共に考えを促すような構成を取っています。