高尾美智子先生を偲ぶ追悼公演
2023年11月9日、寺田バレエ・アートスクールの校長、高尾美智子先生が86歳で永眠されました。彼女はウクライナとの文化交流に生涯を捧げ、多くの人々に影響を与えました。特に、ウクライナ国立バレエ学校との関係は深く、日本とウクライナの架け橋となった存在です。
高尾先生の息子、寺田宜弘氏はウクライナ国立バレエの芸術監督としての地位にあり、母の意志を継いでいます。彼の活躍は、母親の教育理念とウクライナ文化への愛情を結びつけるものです。
京都市に所在する寺田バレエ・アートスクールは、優れたダンサーたちを招いての国際交流を行い、バレエ教育の質を高め続けてきました。1960年に創立されたこのスクールは、まさに高尾先生の情熱の結晶です。
特に、1975年にキーウ国立バレエ学校との姉妹校提携を結んで以来、高尾先生は日本の生徒をウクライナに送り出す一方で、ウクライナからの学生も受け入れ、両国の文化理解を深めてきました。2009年には、ウクライナからプリンセス・オリガ勲章を授与されるなど、その功績が認められました。
ウクライナ国立歌劇場は、高尾美智子先生を偲ぶ追悼公演を予定しており、京都で行われる「雪の女王」と「第九・運命」は彼女の偉大な功績を称える特別な場となります。
この公演は、ウクライナの伝統を感じる場でもあり、観客に深い感動を与えることでしょう。加えて、主演を務めるカテリーナ・ミクルーハは自らのバレエ学校時代に高尾先生の指導を受けた特別な存在です。彼女が「雪の女王」を日本で初めて主演することは、観客にとっても感慨深い瞬間となるでしょう。
さらに、特別公演では「第九」が取り上げられます。音楽が持つ力を存分に感じることができるこの演奏は、心の琴線に触れる感動的なものであると予想されます。ウクライナ国立歌劇場の合唱団の歌声が、観客の心に響くことでしょう。
高尾美智子先生の遺した教育に対する情熱と、ウクライナ文化への愛は、彼女の生涯を通じて見ることができました。彼女が築いた架け橋は、今後も多くの人々に受け継がれていくことでしょう。この追悼公演を通じて、彼女の思いを再確認し、未来への希望を歌い上げる場になることを期待しています。
高尾美智子先生の偉大な功績を称え、彼女が願った平和な世界の実現に向け、私たちも一歩を踏み出すことができるでしょう。今回の公演は、彼女にとっても視覚、聴覚の両面で喜びとなることでしょう。
この特別な公演を通して、高尾美智子先生への感謝の気持ちを形にし、彼女の志を次の世代へとつないでいく時間を持ちたいものです。