高校球児のイップス克服に向けた対面指導の挑戦

2025年3月2日（日）、静岡県立新居高等学校の硬式野球部で、イップス改善に特化した指導が行われました。イップスとは、投球動作を突然妨げる心理的障害であり、選手生命を脅かす深刻な問題です。この日の講習は、イップス研究家のトモヤ（屋号：トモヤ@イップス研究家）が主催し、オンライン指導を通じて3000名以上の選手をサポートしてきた実績を持つ谷口智哉氏が直接指導を行いました。この試みは、高校野球部への本格的な対面指導としては初めての試みで、大きな注目を集めました。

イップス症状とその背後にある問題

イップスに苦しむ選手たちは往々にして、どのように改善するべきかわからず、結果的に状態が悪化してしまうことも少なくありません。インターネットやSNSから得た情報に振り回され、必要な練習を見つけられずに悩む姿が見受けられます。谷口氏は、これらの問題点を踏まえ、直接指導を行う決意をしました。彼は「一人ひとりに合わせた最適な練習法を伝えることで、生徒たちがより楽しく野球を続けられる手助けがしたい」と語っています。

対面講習の内容

実施概要

- 日時: 2025年3月2日（日）8:30–12:30
- 場所: 静岡県立新居高等学校グラウンド
- 対象: 硬式野球部員10名、顧問1名
- 指導内容:

1. ウォームアップ／キャッチボール観察（9:00–10:00）
2. 基本動作講義（10:00–10:30）
3. 個別ネットスロー指導（10:30–12:30）

この講習では、選手たちはキャッチボールやボール回しを通じて、谷口氏からのアドバイスを受けました。普段の練習では9〜10割の力で投げることが多く、試合では7割程度の力で正確に投げることが求められると説明されます。その中で、選手たちは力を抜くことの重要性に気づき、力のコントロールの改善に向けた具体的なアプローチを学びました。

指導者のコメント

静岡県立新居高等学校の顧問、宇佐駿佑氏は「自身もイップスに悩んでいた経験から、谷口氏の指導を受けることにしました。指導後には、生徒たちに対する理解が深まり、お互いに楽しめる環境を整えることができると確信しました。」と述べています。

このように、実際の指導を通じて具体的な解決策を学ぶことで、選手たちの野球への取り組み方に変化が生まれると期待されています。