女性のスポーツ継続における影響要因
運動を楽しむことは、多くの女性にとってのライフスタイルの一部である。しかし、約20歳代から40歳代の女性において、スポーツ実施率が著しく減少する傾向が見られています。これは、日本とオーストラリアという二つの国の調査をもとに明らかにされました。
研究の背景と目的
笹川スポーツ財団と仙台大学体育学部の弓田恵里香准教授による研究チームは、「女性のスポーツ実施継続における社会的・個人的要因」をテーマにした調査を行い、日本とオーストラリアの女性を対象に運動・スポーツ経験についてのデータを収集しました。この研究では、結婚や子育てといったライフイベントの影響が限定的である一方、周囲からの理解やサポートの重要性が浮き彫りになりました。
調査結果の概要
調査で分かったことは、次の三つのポイントです。まず、仕事やライフイベントの影響が運動継続に対しては少ないということです。特に妊娠や出産は運動習慣に大きな影響を与えないことが示されました。次に、日本では中学校・高校をピークに運動実施者が減少するのに対し、オーストラリアでは比較的一定の割合で運動を続けていることが分かりました。
さらに、家族や友人からのサポートについて、オーストラリアの女性は日本の女性と比べ、圧倒的に支援を受けやすい環境にあることが特徴的です。具体的には、オーストラリアでは家族・友人が運動やスポーツを励まし、評価する割合がそれぞれ約71%に達するのに対し、日本ではそれが41%に留まっています。これらの結果から、女性が運動を継続するためには周囲の理解やサポートが不可欠であることが強調されています。
データの比較
運動の実施状況を持つ女性に対する調査では、日本では20代から40代にかけて毎週運動を行う割合が著しく低下。全国の統計によれば、運動を行う割合が大学・大学院卒業後に20%前後に減少しました。それに対し、オーストラリアでは、運動を週2-3回継続している割合が年齢を通じて横ばいであり、特に40歳代以下の女性は強い運動の習慣を保持しています。
社会的支援の重要性
本研究では、ライフイベント(結婚や妊娠)よりも家族や友人からのサポートが女性のスポーツ継続には大きく関わっていると確認されました。特に、オーストラリアでは家族の意識が高く、56%の女性が家族の支援を受けることができていると回答。これに対し、日本ではその割合が38%にとどまり、文化的な要因や育成環境も影響していると考えられます。
今後の課題
この調査の結果から、運動が日常的に行われる社会の形成には、制度的な施策だけでなく、地域や家庭などにおける社会的環境の整備が求められています。また、オーストラリアの例に見るような支え合う文化を育むためには、これからの日本にも具体的な施策が必要です。スポーツの楽しさを次世代へと引き継ぐためには、社会全体での理解と支援が不可欠であることを再認識しました。
おわりに
日本とオーストラリアの女性のスポーツ実施状況を比較したこの研究を通じて、今後も女性が生涯スポーツを楽しめる社会を目指すための取り組みが進むことが期待されます。運動は心と体の健康を保つために重要な要素であり、多くの女性がその恩恵を受けられるような環境を共に作り上げていきたいと思います。