ロードキルゼロへの挑戦
2025-12-24 11:09:35

NISSAN ANIMALERT PROJECTが目指すロードキルゼロの未来とは

NISSAN ANIMALERT PROJECTが目指す未来の共存に向けた挑戦



日産自動車株式会社が進める「NISSAN ANIMALERT PROJECT」は、人と野生生物の共存を願い、特に絶滅危惧種であるアマミノクロウサギの保護に取り組んでいます。このプロジェクトは、2025年12月21日に早稲田大学で開催された第30回『野生生物と社会』学会大会で、実証実験の成果を発表し、その進捗状況を報告しました。これまでに実施された実験により、重要な知見が得られ、今後の取り組みへとつながる可能性が示されています。

プロジェクトの目的と背景



「NISSAN ANIMALERT PROJECT」は、車両接近通報装置を応用し、動物に適した特定の周波数を発信することで、クルマと野生生物の衝突を防ぐことを目的としています。この取り組みは、鹿児島県の奄美大島と徳之島にのみ生息するアマミノクロウサギを守るために重要です。クルマと動物の接触事故、いわゆる「ロードキル」は、近年特に深刻化し、環境省の調査でも、その件数は年々増加傾向にあります。特にアマミノクロウサギのローディングキル件数は、2023年には147件に達し、早急な対策が求められています。

実証実験の内容と進捗



2025年のプロジェクトの実証実験では、岡山理科大学の辻維周教授が主となり、考案した高周波音を発信する「鹿ソニック」を使った実験が行われました。このデバイスは、アマミノクロウサギが危険を察知し、避けるための助けとなることを目指しています。走行実験は日産の軽EV「日産サクラ」を用いて、奄美大島内で実施され、高周波音がアマミノクロウサギに与える影響を分析しました。

実験は2025年10月から開始され、9日間で73回の試行を重ね、現在はデータの集計と分析を進めています。初期の結果では、高周波音が発せられた際、アマミノクロウサギが「移動」する傾向が見られるなど、実験は今後の調査に向けた有望な出発点となっています。

今後の展望と多様な視点



NISSAN ANIMALERT PROJECTは、ただ単に事故を減らすことを目的としているのではなく、サステナブルな共存社会を目指す取り組みです。プロジェクトに参加している岡山理科大学や帯広畜産大学などの研究機関は、野生動物と人間との関係を考慮した多角的なアプローチを練り続けています。教授たちによると、野生生物と人間の「棲み分け」を可能にするために、今後も技術や研究を駆使していかなければならないと発表しています。

地元自治体や環境省のサポート



また、プロジェクトの進行にあたっては、奄美市や環境省も支援を行い、実証実験の環境整備や調整を行っています。地元の人々の協力は不可欠であり、アマミノクロウサギの生息数回復に向けた努力も同時に続いています。

今回の学会大会において、参加者たちは今後の研究の重要性を再確認しました。ANIMALERT PROJECTの今後の成果に期待が寄せられます。

まとめ



NISSAN ANIMALERT PROJECTは、最新のテクノロジーを利用した新しいアプローチで野生生物の交通事故を減少させるための一歩を進めています。アマミノクロウサギを守るための取り組みは、ただの実験に留まらず、 Wildlife Conservationの新たな形を模索する道となるでしょう。これからの結果が、野生生物との共存の未来にどう影響を与えるか、期待が高まります。


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