松本隆の55周年特別番組、音楽史に迫るドキュメンタリー
名曲の創作秘話とその背後にあるドラマ
満を持して放送されるBS日テレの特別番組「作詞家・松本隆ことばの冒険」。この番組は、作詞家として55年の歩みを振り返り、松本隆の音楽世界に迫る貴重なドキュメンタリーです。番組では、象徴的な名曲の数々が如何にして生まれたのか、その背景に潜むドラマや人間関係に焦点を当てています。
松本隆は、「ルビーの指環」や「木綿のハンカチーフ」、「赤いスイートピー」など、2100曲以上を生み出し、50曲以上がヒットチャートの1位を獲得した作詞家です。番組では、彼が“ヒットメーカー”としてだけでなく、音楽界の常識を打ち破ってきた姿を描き出します。
日々の活動を追う
このドキュメンタリーは、最近の松本隆の日常に密着する内容になっています。70代に突入した松本が、TBSラジオのレギュラー番組「松本隆 風街ラヂオ」でパーソナリティを務めている姿が映し出されます。ゲストとして訪れるのは、松本が長年にわたり歌詞を提供してきた近藤真彦。彼のデビュー曲「スニーカーぶる~す」の歌詞を受け取った時の思いや、松本とのエピソードも交えた興味深いトークが展開されます。
さらに、斉藤由貴のデビュー40周年を祝うコンサートにおいて、松本が見守る中で「卒業」が歌われる瞬間も捉えられています。サプライズで松本が紹介され、会場が歓声に包まれるシーンは感動的です。
大ヒット曲の背後にある物語
松本隆の初の大ヒット曲「木綿のハンカチーフ」は、作曲家・筒美京平との強力なコンビネーションによって生み出されました。この曲のテーマは、遠距離恋愛を描いたもので、そのモデルが番組に登場し、知られざる名曲誕生の秘話が披露されます。
また、松本が自信を持って言えるように、彼の作品は40年以上にわたって売れ続けており、大滝詠一の「ALONG VACATION」もその一つです。このアルバムの中で特に人気の高い「君は天然色」には、松本自身の悲しい思いが秘められており、その背景には深い物語が隠されています。
音楽界の最先端を走り続ける松本
20年以上にわたり日本の音楽シーンの最前線で活躍してきた松本は、時折感じるプレッシャーについても語ります。「このままだと自分が壊れてしまう」との本音を吐露し、しばし前線から退くことを決意。その後は、クラシックや和楽についての探求を行うことになりますが、これは彼のルーツである伝説的バンド「はっぴいえんど」に先祖帰りするような行動でした。
1997年に、松本は再び舞台へ戻り、彼のキャリアの中で最大のヒットを生むことになります。「今まで出来なかったダークな女性像を描きたい」との思いから、歌手クミコを発掘した松本。現在70歳になった彼女がその名曲をカバーするスタジオでの様子も収められ、新たな感動を提供します。
世代を超える松本のことばの力
「ことば」だけを武器に、松本隆は常に新たな冒険を追い求め続けています。彼の作品がなぜ世代を超えて歌い継がれるのか、その答えがこの番組を通じて徐々に明らかになっていくことでしょう。
番組のナビゲーターを務めるのは、松本と長年の交流を持つ阿川佐和子さん。彼女の温かい語り口が、松本隆という大作詞家の深い内面とその魅力を引き出します。
曲目リスト
番組では以下の楽曲が取り上げられます(順不同):
- - 「卒業」斉藤由貴
- - 「君は天然色」大滝詠一
- - 「September」竹内まりあ
- - 「春よ来い」 はっぴいえんど
- - 「スニーカーぶる~す」近藤真彦
- - 「硝子の少年」KinKi Kids
- - 「心の指紋」クミコ
- - 「WOMAN」クミコ など
この盛りだくさんな内容に、ぜひご期待ください。