能楽の郷池田で届ける伝統芸能の饗宴「葉月薪能」

福井県池田町は、鎌倉時代からの歴史を持つ「水海の田楽・能舞」をはじめ、貴重な伝統文化が息づく地域です。特に、「能楽の郷」として知られ、数多くの能面や衣装が各神社に保管されており、能面美術館では常に100面以上の能面が展示されています。

この町で行われる「葉月薪能」は、今年8月11日（月・祝）に開催され、幻想的な夏の夜に、様々な伝統芸能を楽しむことができます。会場となる須波阿湏疑神社では、かがり火が焚かれ、訪れる人を迎え入れます。

プログラム内容

第一部：民俗芸能交流会

イベントの第一部では、池田町の誇る「水海の田楽・能舞」と、石川県輪島市の「御陣乗太鼓」が披露されます。「水海の田楽･能舞」は、鎌倉幕府の執権である北条時頼伝説に由来し、地域に根付いた歴史ある舞いです。毎年2月15日に行われる神事は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

続いて、石川県輪島市の「御陣乗太鼓」が登場し、地域の特色を感じさせる迫力満点のパフォーマンスを披露します。このように、民俗芸能が盛り込まれたプログラムは、観客に深い感動を与えることでしょう。

第二部：葉月薪能

続く第二部では、京都から招聘される人間国宝の金剛永謹氏（シテ方金剛流）と茂山七五三氏（狂言方大蔵流）による能と狂言の数々が披露されます。この機会に一流の舞を間近で楽しむことができ、伝統芸能の魅力を味わえる貴重な時間となるでしょう。

特に、金剛永謹氏が演じる「車僧」は、牛の引かない車を法力で自在に操る禅僧の物語。雪景色の中での禅問答から繰り広げられる展開は、雅やかな美しさとともに、深いテーマを内包しています。また、茂山七五三氏の狂言「蚊相撲」は、その独創的なストーリーとユーモアで観客を魅了します。

能面とのコラボレーション

このイベントでは、池田町で行われる「全国能面公募展」の優秀作品が舞台で使われます。能面作家にとって、自身の作品が舞台に立つことは光栄なことです。地域の能面打ち師たちの作品が鑑賞できる機会でもあるため、注目の舞台となります。

参加型のイベントと特産品の紹介

当日は、「変身・能役者体験」や「創作能面展」も開催されるので、訪れた方々は能の世界に浸ることができます。実際に能装束と能面を着用し、地元保存会の指導のもとで体験できる貴重な機会も提供されますので、お見逃しなく。

また、会場内では地元特産品を使った軽食やお土産品の販売も行われます。地域の文化を体験し、味わうことができるこのイベントは、まさに「能楽の郷」としての魅力が詰まった一日です。