渡辺えりの新演出による『少女仮面』の魅力
劇作家・唐十郎が1969年に発表した名作戯曲『少女仮面』が、演出家・渡辺えりの手により新たな生命を吹き込まれます。この作品は、日本のアングラ演劇を牽引した唐十郎の代表作であり、これまで数多くの舞台で上演されてきた傑作です。今年、渡辺えりがこの作品に挑み、古稀を迎えた彼女の新たな視点を通じて、物語の深さを再発見することが期待されています。
唐十郎と渡辺えりの演劇の歴史
唐十郎と渡辺えりは、共に演劇界で奇跡的な足跡を残してきました。二人の名前は、互いに切り離せない運命的な関係で結ばれています。唐十郎は、1971年に岸田戯曲賞を受賞し、その独自の視点で人間の内面的葛藤を描く作品を数多く発表しました。一方で、渡辺えりもその才能を存分に発揮し、直近での公演も高い評価を受けています。
2024年にこの世を去った唐十郎を追悼する意図も込められており、今回の公演は特別な意味を持つ作品になりそうです。
キャスト陣の豪華さ
今回の『少女仮面』には、渡辺えり自身をはじめ、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、宮下浩行など、個性豊かで実力派のキャストが揃っています。特に春日野八千代役を日替わりで演じる豪華キャスト陣が注目されます。信頼できる演劇仲間が、唐十郎の世界観を理解し、独自の解釈でキャラクターを表現していく姿は、観客にとって見逃せない見どころとなるでしょう。
舞台のあらすじとテーマ
この物語は、東京都内に存在する地下喫茶「肉体」が舞台です。この店のオーナーである春日野八千代は、相手役キャサリンが登場することを待ちわびています。一見するとシンプルな物語ですが、その背後には戦争をはじめとした様々な社会的要素や、人間の欲望、愛、夢が交錯し、深い内面的な探求がなされます。
地下喫茶「肉体」は過去と現在が交わる場となり、春日野や彼女に憧れる少女たちの運命が描かれます。彼女たちの心に潜む夢、愛、欲望が暴かれ、観客はその混沌とした感情に引き込まれることでしょう。
音楽と演出の魅力
さらに、劇中には小室等さん作曲による感動的な劇中歌が生演奏で披露されます。この生演奏は、作品の世界観をより一層引き立て、キャラクターたちの感情を際立たせます。三味線、チェロ、バイオリンの音色が響く中、観客は唐十郎の世界に没入していくことでしょう。
公演情報とチケットの購入について
『少女仮面』は、2025年6月11日から6月22日までザ・スズナリで上演されます。チケットは一般8,000円、U-30/当日引換券5,000円で、全席指定。先行販売が2025年4月10日から行われ、一般発売は4月26日から開始されるので、早めの購入をおすすめします。
詳細は
公式サイトからご確認ください。渡辺えりの演出による新しい『少女仮面』、ぜひお楽しみに!