EV技術を駆使した新たな防災車両「マルモビライトEV」が岐阜に登場

革新の防災車両「マルモビライトEV」が誕生

岐阜県御嵩町とトイファクトリーが共同開発した新型防災車両「マルモビライトEV」が発表され、話題を呼んでいます。この車両は、ハイエースベースのキャンピングカー製造で国内トップのトイファクトリーが手掛けたもので、災害時のエネルギー供給を意識した設計が施されています。

多機能な動くエネルギーシェルター

「マルモビライトEV」は、災害時には即座に機能する“動くエネルギーシェルター”としての役割を果たすことが期待されています。電気自動車（EV）を基盤としており、給電能力が豊富なため、冷房、温水シャワー、給電スポットなど、災害時に求められる様々な機能を搭載しています。災害時はもちろん、地域活動やイベントにも幅広く対応できるため、普段の生活の中でも役立つ車両です。

初披露イベントでの盛況

この新しい防災車両は、岐阜県御嵩町で行われた「第28回よってりゃあ御嵩」で初めて披露されました。町の関係者や地域住民が集まり、御嵩町渡辺町長をはじめとする関係者がこの車両の機能やコンセプトを詳しく紹介しました。地域住民からも「夏にクーリングシェルターとして使えるのが楽しみ」や「災害時の仮眠スペースとして便利」など、多くの期待の声が寄せられました。

災害対策の新時代

岐阜県が推進する「災害から命を守る岐阜県民運動」の一環として、トイファクトリーはこの車両の重要性を地域に周知させる活動を積極的に行っています。11月8日に開催された防災教育フェアでは、自治体関係者に向けてその活用シーンを紹介し、給電機能や冷房システムが高く評価されました。

地域のニーズに応える設計

「マルモビライトEV」が開発された背景には、地域の福祉と移動の課題があったといいます。高齢者の外出機会の減少や、熱中症リスクの増加、地域交通の担い手不足に対する柔軟な解決策を模索する中で、この新型防災車両が生まれました。実際の地域住民からの声を反映しながら開発を進めたことが、設計の大きな強みとなっています。

高い機能性とコンパクトデザイン

「マルモビライトEV」には、最大15時間稼働する車載ポータブルクーラーや温水シャワーを搭載しており、災害時に必要な衛生環境を整えます。また、後部に設置できるパーテーションテントにより、フラットなスペースを作ることができ、休息スペースとしても利用可能です。コンパクトなサイズ感は、住宅街や商店街でも運転しやすく、移動手段としての機動力を発揮します。