父への想いを届ける
2025-06-13 16:40:16

『アルプス席の母』で伝えられた父への想いと感謝の記憶

2025年の本屋大賞で第2位に選ばれた早見和真の小説『アルプス席の母』は、母親の視点から甲子園を目指す息子と、その背後で支える家族の物語を描いています。この作品は576ページにもわたり、母と子の絆だけでなく、家族全体の絆をも強く印象づけています。
この本が生まれた背景には、多くの読者が抱く“父への想い”がありました。小学館が主催したSNSキャンペーン「#アルプス席の父」では、投稿されたエピソードが200件を超え、感謝の気持ちや思い出が集まりました。このキャンペーンは、「父の日」を迎えたタイミングで実施され、普段は言葉にしづらい父への感謝の気持ちを具現化する場となりました。
投稿の中には、反抗期で不器用な父に感謝する声や、厳しい環境の中で支えてくれる父親の優しさが多く綴られています。例えば、砲丸投げの大会前に一人で勉強し、緊張しているときに声をかけてくれた父の言葉は、多くの投稿者の心を温かくしました。このように、作品のテーマ「静かな応援」が、読者の中で共鳴している様子が伺えます。
一方、胸熱エピソードの中には、父が無口な自分に短い言葉であたたかなメッセージを届けてくれる様子もあり、時にはシンプルな言葉でも大きな支えになることがあることを教えてくれます。
また、多くのエピソードには、父が家庭を支える一方で、自身の苦悩と戦っている姿も描かれており、その不器用さが子どもたちの背中をそっと押してくれる様子が見受けられます。それぞれの家庭にとって、父親とは特別な存在であり、その思いは『アルプス席の母』を通じて多くの人々の心に響きました。
この本がもたらしたのは、単なる物語の提供ではなく、多くの家族の記憶や出来事を再認識し、感じる機会を与えてくれたということです。このように、父と子の関係を見つめ直すことは、涙や笑いを生む素晴らしい経験につながるのです。
“父の日”に寄せられた投稿は多岐にわたりますが、特に多かったのは試合やコンクールなど特別な瞬間の中での父からかけられた言葉や行動のエピソードです。例えば、中学生の時に吹奏楽コンクールに出場した際、緊張でガチガチになっていた自分を応援してくれていた父の温かい視線は、今でも忘れられない思い出だと語る投稿者もいました。
このように、『アルプス席の母』は、単に一つの物語としてだけでなく、多くの家族に感謝の気持ちを再確認させるきっかけともなりました。父親の存在は、時には不器用であっても、自らの愛情をしっかりと子どもに伝えていることが感じられるのです。読者の心に寄り添い、静かな感動を与える作品である『アルプス席の母』、ぜひ手に取って、その温かいメッセージを感じてみてください。
【書籍情報】
『アルプス席の母』
著者:早見和真
価格:1,870円(税込)
ISBN:978-4-09-386713-9
2024年3月15日発売予定


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: アルプス席の母 早見和真 父の日

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。