漫才師の奥田修二が、ついに初のエッセイ『何者かになりたくて』を発表します。この書籍は、彼の漫才人生や四十代の独身生活、さらには上京の経験を基にしたさまざまなエピソードが詰まったものとなっています。
このエッセイは、2024年の『THE SECOND~漫才トーナメント~』での優勝を受けて執筆されました。奥田はついに夢を叶えたこの瞬間を、ただの成功話として終わらせず、彼のこれまでの経験や心の葛藤を通じて「何者かになりたくて」努力を続けた姿を描いています。
彼は2005年に相方・よじょうと共に「学天即」を結成し、その年のM-1グランプリではアマチュアながら準決勝進出を果たしました。その後、数々の漫才大会で受賞を重ねながらも、M-1では決勝の舞台に立つことができずにいました。しかし、2023年には新たに「ガクテンソク」として上京し、2024年には『THE SECOND』での優勝をつかみ取ります。
彼のエッセイでは、M-1での挑戦と思うような結果が得られなかった背景、その一方でTHE SECONDでの成功に至るまでの道のりや、感情の変化などが詳細に語られています。特に、敗退した年の決勝戦をどのように受け止めたのか、また舞台裏での作戦会議の模様などがリアルに描写されています。
加えて、生活者としての視点からプライベートな一面も披露されています。彼は大好きなラーメンやクレーンゲーム、アイドルなどについて、心温まるエピソードを語っています。さらに、祖母に褒められるために毎食頑張って食べたり、緊張しすぎて後輩を飲みに誘えなかったエピソードが、彼の「気にしい」な性格を浮き彫りにしています。
特に印象的なのは、彼の「何者かになりたい」という思いです。このエッセイを通じて、同世代に共感を与え、背中を押すような言葉が散りばめられています。たとえば、食事においての完璧主義や、アイドルから受けるエネルギーなど、一見どうでもよさそうな日常の中に奥田の人生観が詰まっています。
本書は、彼のnoteに掲載されたエッセイを加筆・修正したもので、新たに書き下ろしや語り下ろしも収められているため、これが初めての方でも十分に楽しめる内容となっています。奥田自身も出版に向けてのコメントで、「リアルな日常をぜひ感じてほしい」と語っているように、彼の私生活や漫才師としての葛藤が色濃く反映されています。
さらに、出版を記念して東京・大阪でトークイベントも開催予定です。この機会に奥田修二の生の声を直接聞けるチャンスです。彼が長年の挑戦をどう乗り越えてきたのか、その真相を知りたい方にはぜひ手に取ってほしい一冊と言えるでしょう。抽選でサイン会や撮影会にも参加できる予定なので、ファンにとっては見逃せないイベントとなっています。興味のある方は、ぜひ書店での予約をお忘れなく!