日本で自動運転公共交通の新時代を切り開くImagryと豊田通商の協業

Imagryと豊田通商が手を組む

2025年12月23日、米国カリフォルニア州サンノゼと日本東京で、公募した自動運転バスによる実証実験を行うため、Imagry（イマジリー）と豊田通商株式会社が協業を発表しました。この二社は、次世代の公共交通システムを検証するための取り組みを進めており、安全で信頼性が高く、持続可能な公共交通の実現を目指しています。日本国内の公共交通事業者が持つ課題の解決策として、Imagryの自動運転バスの導入を提案しています。

日本のバス運転手不足

日本の公共交通における運転手不足は深刻な問題です。公益社団法人日本バス協会のデータによると、2030年度には約36,000人の運転手が不足する可能性があるとされています。このような状況の中、Imagryの自動運転バスは有効な解決策と見込まれています。運転手がいなくても稼働できる自動運転バスにより、公共交通の運行エリアや本数を拡大し、移動の公平性や利用者の満足度を向上させるだけでなく、環境への負担軽減にも寄与します。

自動運転バスの実証実験

今回の実証実験では、全長6.9メートルのeVersum midi-busを使用し、最大38名（車いす利用者を含む場合は32名）の乗車が可能です。ソフトウェアとハードウェアは、標準的な製造プロセスの中でバス製造工場で統合・実証されるため、即座に運行可能な完全統合型バスが提供されます。また、実証ルートは公共交通事業者の既存サービスエリアに合わせて設定され、一般車両と混在する公道で実施される予定です。

Imagryの目指す未来

ImagryのCEOであるEran Ofir氏は、「豊田通商との協業により、日本における自動運転ソリューションの公共交通市場での活用可能性を検証できることを光栄に思う」と述べています。さらに、実地での検証を通じて日本の公共交通が抱えるさまざまな課題に対する解決策を提供し、公共交通のイノベーションを推進することで、日本を国際的なリーダーへと押し上げられると自信を表明しています。

豊田通商とImagryの強み

豊田通商は1948年に設立され、日本の名古屋市に本社を置くグローバルな商社で、さまざまな事業を展開しています。豊田通商の広範な産業ネットワークがImagryの技術と結びつくことで、新しい公共交通ソリューションを提供するための強力な基盤となるでしょう。ImagryはAIベースの自動運転技術を2018年から開発しており、HDマップに依存しないビジョンベースの自動運転を実現しています。これにより、彼らはさまざまなプラットフォームとシームレスに統合可能な、自律運転ソリューションを提供しています。

取り組む環境が変わる

実証実験が成功すれば、Imagryが提供する自動運転バスは日本全国の公共交通事業者や自治体に対し、未来の公共交通システムの実現に貢献します。これにより、安全で効率的な公共交通が実現され、将来的には特に運転手が不足する地域において、新たな交通手段が提供されることとなります。Imagryと豊田通商が切り開く自動運転による新しい公共交通の波に、今後も注目が集まることでしょう。