フィリピンで音楽教育が加速
ヤマハ株式会社は、フィリピンにおける初等音楽教育の普及にむけた重要な取り組みを進めています。日本の文部科学省による「令和7年度『日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)』応援プロジェクト」に採択され、JICAとの連携を強化しているこの事業は、子どもたちに音楽を通じて豊かな生活を提供することを目的としています。
音楽教育の背景
当社は2015年から「スクールプロジェクト」を通じて、発展途上国の音楽教育支援に注力してきました。これまでに、マレーシアやインドネシア、ベトナムなど10カ国で累計425万人の子どもたちに音楽や楽器演奏の機会を提供してきました。フィリピンでも、音楽が心の豊かさを育む重要な教育要素であることを認識し、取り組みを進めています。
ダバオ市における実施
今後、ヤマハのプロジェクトはダバオ市の公立初等学校で展開され、約720名の児童がリコーダーを使用した音楽教育を受けることになる予定です。新しい教育カリキュラムの中で、音楽教育は他の教科と統合されてしまいがちですが、本事業でその重要性を再認識することを狙っています。特に、21世紀型スキルの習得を促進するために、音楽教育がどれだけ優れた効果を持つかを示していきたいと考えています。
「EDU-Portニッポン」の意義
EDU-Portニッポンは、日本の教育制度を世界に広めるための官民協働のプログラムです。今回のフィリピンにおける取り組みはその一環として、音楽教育だけでなく、広く質の高い教育の提供を目指しています。そうした活動は他の国でも行われており、日本の教育に対する国際的な評価が高まる中で、ヤマハの取り組みはその一助とされています。
JICAとの協働
このたびの提携により、JICAとともに教育省や現地の学校で音楽教育の成果を測定し、その知見を活用していきます。音楽に触れることは、非認知能力の育成にも寄与します。教育の改革を進めながら、ダバオ市の子どもたちにとって価値ある経験を提供することを目指しています。
具体的な活動内容として、フィリピンの教育機関による日本及びASEAN地域の音楽教育視察や、実際の授業の成果を検証する査定を含め、持続可能な開発目標にも積極的に寄与していく方針です。
今後の展望
音楽教育支援事業の将来的な展望として、非認知能力や社会的スキルの向上に寄与する音楽教育のあり方を見極めていきます。これにより、持続可能な社会の実現を目指す中で、フィリピンの初等教育の質の向上を図りたいと考えています。政府機関、企業、NPOなどとの連携を強化し、さらなる響きを広げていく予定です。
フィリピンの子どもたちに明るい未来を,全ての子どもたちが音楽の力で豊かな人生を送れるよう、引き続き全力で支援を続けて参ります。