『チルド』小説化
2026-06-12 13:03:43

映画『チルド』スピンオフ小説、心に迫る新たな物語が登場

映画『チルド』のスピンオフ小説がKADOKAWAからの出版が決定しました。この小説は、映画の世界観に基づきながら、主人公・堺と出会う女性・都築の視点で展開されます。著者の伊西殻は、原案として岩崎裕介監督が手掛けた映像作品の不条理と淡々とした雰囲気を小説に落とし込み、異なる角度から物語を構築しています。

映画『チルド』は第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され、日本作品として唯一FIPRESCI賞を受賞。その後も台湾や韓国などで次々と入選するなど、国際的にも評価されています。このような背景を持つ作品が小説としても展開されることに注目が集まっています。

物語の主人公・都築は、時間が過ぎるのを待ちながら日々を淡々と過ごしています。そんなある日、バイト先のコンビニで不可解な客を見かけるようになります。彼女の目には、客の全身が本のシュリンク包装のように映っていたのです。それ以降、都築は次第に「パッケージ化された人々」を目撃するようになり、それが何かの予兆だと直感します。虚無感漂う日常の中で、その異形の存在を発見することが彼女にとっての小さな楽しみとなっていくのです。

この小説は、映画の描いている“内側の狂気”とは別に、コンビニという閉ざされた空間の“外側”で広がる徐々に壊れていく世界を映し出しています。都築自身も知らぬ間に“パッケージ側”になりつつあるという心理描写が、読者に強い緊迫感を与えることでしょう。

伊西は自身のコメントで『チルド』公開を祝し、映画本編とは異なるアプローチが求められたと述べています。彼は、岩崎監督のビジュアルパワーと不条理さをできるだけ忠実に再現しつつ、視点を変えることで新たな物語を構築したと語ります。今作が映画と小説の両方で、互いに補完し合う内容となることを希望しているようです。

また、原案の岩崎裕介監督もコメントを寄せており、読者に強く訴求する動的な筆致に魅了されることを期待しています。小説と映画、どちらも楽しめる作品であり、ぜひ行き来してその違いを感じてほしいというメッセージが伝わってきます。

このスピンオフ小説『チルド』は、2026年7月31日に発行される予定で、定価1,925円です。特に、興味を惹かれるのは小説ならではの心理描写や、日常に潜む異常の描写です。映画『チルド』を観た方はもちろん、まだ観ていない方もこの小説を通じて、映画とは違った角度から『チルド』の世界観を体験できるでしょう。

著者の伊西殻は、ゲームシナリオを中心に小説も手掛けるクリエーターで、フリーランスではなく自営業として活動する彼女。デビュー10周年を迎えた彼女の新作がどのような刺激をもたらすのか、私たちも楽しみにしています。

映画『チルド』と小説『チルド』、その二つの作品が作り出す独自の世界観をぜひお楽しみください。


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