滝沢秀一が語る新たな視点「ごみ」
2025年7月28日、株式会社河出書房新社から発表される新刊『僕の仕事はごみ清掃員。』は、お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一が、芸人としてのキャリアに加え、ごみ清掃員としての経験を基にした特別授業が展開されます。この本では、ごみという身近なテーマを通じて、私たちの日常生活や社会における姿勢を問いかけます。
ごみを知ることの意義
滝沢は、私たちが捨てる物だけがごみとして扱われているわけではなく、「ごみ」が私たちの生活や文化を映し出す鏡であると指摘します。彼は次のように述べています。「世の中にはごみとして生まれたものは一つもない。ごみかどうかを決めるのは捨てる人自身です。」この言葉から、物の価値や意味を考え直させてくれることでしょう。
滝沢秀一の歩み
著者である滝沢秀一は、1976年生まれの足立区出身。1998年に「マシンガンズ」を結成し、芸人としてステージで活躍する一方、2012年にはごみ収集会社に就職しました。彼は、初めは生活のために始めたごみ清掃作業でしたが、次第にその奥深さに魅了され、「日本一のごみ清掃員になる!」という目標に向かって努力を重ねていきます。
彼のTwitter(現在はX)が注目を集め、オンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」も立ち上げ、環境意識の向上に努めています。2020年には、環境省の「サステナビリティ広報大使」に就任し、2023年には「クーリエ・ジャポン」が選ぶ「世界が注目した日本人100人」にも選ばれました。
ごみを通じて見える社会
本書では、滝沢が感じた「ごみを自分ごととして捉える」ことの重要性が強調されます。彼は、生活費を稼ぐための手段であったごみ清掃を通じて、私たちの生活や社会について深く考察を続けてきました。ごみは、食べたものや消費した物の結果であり、その中に我々の生活の縮図が含まれています。どんな物を選び、どのように暮らすかが、未来の私たちを形作るのです。
特別授業の内容
本書は、単なるごみのマニュアルではなく、心に響く「特別授業」として展開されています。授業は「恋」「お金」「自己防衛」の3つのテーマに分かれ、中高生から大人まで広くアプローチしています。具体的には、ごみの分別方法から家庭での廃棄物のについての理解を深めるための実践的な内容が盛り込まれています。
特に、各学期の最後には「特別補習」が設けられ、季節ごとのごみに対する理解を深めるレッスンが行われます。例えば、「楽しい夏休み! “夏のごみ”分別LESSON」では、キャンプやBBQで出るごみの扱いについて学ぶことができます。
誰もが興味を持つ内容
「ごみ」という日常的なテーマながら、滝沢のユーモアと視点が融合した本作は、決して堅苦しい内容ではありません。イラストページや楽しめる要素が盛り込まれ、中高生をはじめとする幅広い世代に向けて楽しめるように工夫されています。
この本を通じて、大人たちも忘れがちな責任感を再認識し、未来に向けてより良い選択をするきっかけとなることでしょう。「自分の暮らしを見つめ直す」ためのヒントが詰まった『僕の仕事はごみ清掃員。』をぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。