物流業界の新たな挑戦
日本通運株式会社とWHILL株式会社が東京大学と協力し、物流倉庫における電動モビリティの活用に関する共同実証実験を実施しました。この取り組みは、労働力不足や高齢化が進展する中で、誰もが能力を発揮できる職場環境の整備を目指すものです。
日本通運は「誰にもやさしい倉庫」というプロジェクトを2024年に開始し、倉庫で働くことが難しい方々の障害を取り除くことを目指しています。一方、WHILL社は移動に課題を抱える人々をサポートするモビリティサービスを展開しており、今回の実証実験は、「自立支援機器を活用する就労支援プロジェクト」に基づいて行われました。
実証実験の目的と内容
実証実験では、「誰もが自分らしく働ける環境づくり」をテーマに、多様な身体的制約を持つ人々を対象にしました。実験の主な目的は、倉庫環境への近距離モビリティ導入が作業負担をどの程度軽減できるかを評価することです。具体的には、以下の視点から検証が行われました。
1.
模擬倉庫でのピッキング作業評価:環境要因、通路幅や棚の高さが作業に与える影響を調査。
2.
就労場面での評価:実際の就労者に対し、支援機器の満足度や心理的影響、仕事への活力を測定。
3.
ユーザビリティ評価:近距離モビリティをどう使いやすいかを評価。
見えてきた成果
実証実験の結果、近距離モビリティの導入が倉庫のピッキング作業の就業可能性を拡大することが確認されました。通路幅や棚の高さ、床面整備などの環境教育も重要な要因として挙げられました。さらには、機器が倉庫作業に適応するための機能追加が必要であることも指摘されています。
また、就労体験を通じては、使いやすさや心理的な側面において良好な傾向が見られ、モビリティの活用が与える前向きな影響が明らかになりました。これにより、身体的制約を抱える方々を含む多様な人材の業務参加が期待されます。
今後の展望
日本通運とWHILL社は、本研究で得られた知見をもとに、機器や環境、運用要件を改良し、安全性や作業性、導入しやすさを向上させる取り組みを進める予定です。また、WHILL社の技術と日本通運の業界の専門知識を融合させ、新たな作業専用モビリティの開発も進行中です。これは日本通運内部での使用が決まっており、将来的には同様の課題を抱える他企業への展開も視野に入れています。
両社は、持続可能な物流現場の実現に向け、身体的制約を感じることなく、誰もが自分らしく働ける社会の構築に向けた共創を続けていきます。
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この実証実験は、今後の物流業界の在り方を考える上での重要なステップとなるでしょう。