ヤマハとピティナが共同研究を始動！ピアノ演奏の新たな科学的解析へ

ヤマハとピティナ、ピアノ演奏計測の共同研究スタート！

ヤマハ株式会社と全日本ピアノ指導者協会（ピティナ）は、ピアノ演奏に関する新しい共同研究を11月から開始することを発表しました。このプロジェクトの目標は、ピアノ演奏の計測を科学的に行い、より効果的な音楽教育の手法を見つけることです。

背景

近年、ピアノ教育の現場では「生徒がどのように演奏を仕上げるのか、その過程を可視化したい」という声が高まっています。また、客観的なデータに基づいて効果的な練習や指導を行いたいというニーズも増えてきました。ピアノの演奏を科学的に理解するためには、高精度のデータを多角的に収集・分析し、それを教育にどのように活かすかが重要です。

しかし、これを実現するためには、楽器やセンサー、ソフトウェアなど、総合的で高い専門性が統合されたシステムが必要です。個々の教育現場ではこのシステムを構築するのは難しく、必要なデータが十分に蓄積できていないのが現状です。そこで、ヤマハとピティナのしっかりとした連携により、科学的な演奏分析を推進します。

研究の進行方法

この共同研究では、ピティナが保有するピアノ教育に関する豊富な知見とデータを活用し、ヤマハが持つ高精度なピアノセンシング技術を組み合わせます。このプロセスを通じて、多様な演奏データを収集し、適切な形でそれを公開しながら、演奏科学の研究コミュニティの活性化を図ります。

具体的には、ピティナに所属するピアニストの協力を得て、ヤマハの自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™」を使用して、演奏に関するデータを計測します。このデータには、MIDI情報だけでなく、鍵盤やハンマーの動き、さらには音の収録や映像データまで含まれます。このようにして得られた定量的なデータについて、両者で分析を行い、効果的な演奏方法や指導方法を見出していく予定です。

各組織の役割

ピティナの役割

- ピアノ教育に関する知見や演奏データの提供
- コンペティションを通じて蓄積されたデータの活用
- 有効な練習方法や演奏技術に関する情報の整理

ヤマハの役割

- 高精度な演奏データ計測システムの提供
- 自動演奏機能付きピアノやセンサーによる演奏データの収集
- 映像データの収録を通じて、具体的な演奏動作の解析

演奏計測技術の特色

ヤマハの演奏計測技術は、人間の演奏動作を深く理解するために、さまざまなデータを記録・分析する取り組みを行っています。このシステムでは、「動作から音の生成まで」の一連の流れを、高精度に記録することができます。収集した各種データを同期して再生することで、演奏者は自身の演奏プロセスを視覚的に理解し、新たな気づきを得ることが期待できます。