パラリンピックの振り返り
2025-11-06 17:58:36

東京パラリンピック大会から4年、社会変革の行方と新たな課題を考察

東京パラリンピック大会から4年、社会変革の行方と新たな課題を考察



2023年11月5日、東京パラリンピック大会が期待する社会変革の振り返りをテーマにしたシンポジウムが開催されました。このイベントは日本財団パラスポーツサポートセンターと日本福祉大学パラスポーツ研究所が共催し、オンライン形式で実施されました。モデレーターとして藤田紀昭教授が登壇し、様々な分野から集まった有識者たちがそれぞれの視点で議論を交わしました。

シンポジウムの概要



登壇者は、行政、運営、研究、現場の専門家など多彩で、9人の専門家が各分野における意見や課題を共有しました。彼らは「パラスポーツの普及」「組織改革・インフラ整備」「意識改革」「人材育成」「パラリンピック教育」「経済界の参画と貢献」といった6つのテーマについて議論を進め、具体的な提言を行いました。特に、開催から4年が経過した現在、障がい者スポーツの普及や意識の変化、さらにはネットワークの強化の必要性が強調されました。

パラスポーツの普及



小淵和也氏は、全国で150か所の障がい者専用スポーツ施設の存在を認識しつつ、「手帳を持つ障がい者が週に1回以上スポーツをする環境が整っていない」と指摘しました。今後は、多くの公共スポーツ施設との連携が鍵であるとし、地域における専門職の役割が重要とされました。

組織改革とインフラ整備



河合純一氏は、組織改革において明確なビジョンが重要であると強調します。「誰と何を実現したいか?」を明確にすることで、多くの人を巻き込むことが可能になるという考えを示しました。彼は自身の経験から、アスリートが意志決定の場に加わることの重要さを再認識しました。

意識改革



延與桂氏は、パラリンピックを盛り上げるための初期段階は、競技団体との協働がスムーズに進まなかったことを振り返り、一般社会におけるパラリンピックへの認識が高まった現状を評価しました。しかし、大会後の意識の低下については懸念を表明し、継続的な取り組みの必要性を訴えました。

人材育成



櫻井誠一氏は、パラ水泳連盟の取り組みとして、指導者養成のための教材作成を行っていると紹介し、新たな指導者を年間30名育成することを目指すことが進行中であると述べました。彼は、教育機会の重要性とともに、プロフェッショナルな指導が必要であると強調しました。

パラリンピック教育



齊藤まゆみ氏は、パラリンピック教育の実施率が低下している現状を分析し、カリキュラムの改訂と教育機会の拡充が求められていると述べました。彼女はダイバーシティやインクルージョンの観点から、教育内容の強化が必要であると強調しました。

経済界の参画と貢献



山口一朗氏は、自らが開催する「大阪カップ」でスポンサーを募る活動を通じて、経済界にもパラスポーツへの参画を促しました。交通事故防止機関がスポンサーとなった経緯を紹介し、パラスポーツが持つ社会的意義を再認識する場を提供しました。

シンポジウムのまとめ



シンポジウムでは、パラスポーツの普及と啓発、組織改革、意識変革など多角的なアプローチが求められていることが強調されました。討議の結果、こうした課題に対し持続可能な解決策を見出すため、様々な団体が協力し合うことが必要であるという合意に達しました。 これらの提言や議論の内容は、2026年2月に発行予定のパラリンピック研究会紀要第25号に掲載される予定です。今後もパラスポーツの発展に向けた取り組みの進展に期待されます。

日本財団パラスポーツサポートセンターについて



日本財団は、障がいのある人々が一人ひとりの違いを認め合い、社会で活躍できるDE&I社会の実現を目指しています。これからも社会に変革をもたらすためのチャレンジを続けていく意志を示しました。


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