ロールス・ロイスの新たな傑作「ファントム・アラベスク」
2026年2月12日、イギリスのグッドウッドにて、ロールス・ロイスが特別なモデル「ファントム・アラベスク」を発表しました。このモデルは、中東の建築遺産を称え、初のレーザー彫刻技術を駆使した美しいボンネットを誇ります。5年にわたって開発されたこの技術は、伝統的なアラビア建築の特徴であるマシュラビーヤからのインスピレーションを受けており、幾何学的なデザインを現代に再現しています。
世界に一台の特別作品
このファントム・アラベスクは、ロールス・ロイスのプライベート・オフィス・ドバイによる一台限りのカスタムモデルです。中東全域の文化的遺産を再現したこの車は、伝統的な家屋や宮殿の美しい格子模様を施されています。レーザー彫刻は、精緻なマーケトリーアートワークと組み合わさり、車内外での視覚的な印象を強化しています。特に、ボンネットに施されたマシュラビーヤ模様は、技術的な革新を象徴していると同時に、豪華な芸術作品といえるでしょう。
マシュラビーヤの美
マシュラビーヤは、中東の建築においてプライバシーを守りながら通気性を確保するためにデザインされた、精巧な木の格子です。ファントム・アラベスクでは、そのデザインが車のボディに巧みに取り入れられ、装飾性と機能性が見事に融合しています。このアプローチにより、物理的な快適さだけでなく、文化的なアイデンティティも表現されているのです。デザイナーのミシェル・ラスビーは、このプロジェクトを通じて、ロールス・ロイスの本質を保持しつつ、地元のルーツを感じさせることを目指したと語っています。
革新の技術
ファントム・アラベスクのボンネットは、ロールス・ロイス初となるレーザー彫刻が施されています。この新たな技術は、イタリアのスグラッフィート技法にインスパイアされたもので、彫刻の深さが145~190ミクロンに及びます。ボンネットはまず濃い色で塗装し、その上に明るいトップコートを重ね、最後に彫刻を施すことで、立体的かつ豊かな質感を生み出しています。これにより、視覚的な美しさだけでなく、触覚的な体験も提供されています。この技術の開発には、ロールス・ロイスのエクステリア・サーフェス・センターが投入され、5年の年月をかけて職人たちによる試行錯誤の成果が結実しました。
外装と内装の上品な調和
ファントム・アラベスクのエクステリアは、ダイヤモンド・ブラックとシルバーのツートーン仕上げが特徴です。手描きのショート・コーチラインにはマシュラビーヤのデザインが細かく施されています。内部は、ブラックウッドとブラック・ボリバー材が使われ、ギャラリー全体にわたって精巧なマーケトリーアートが表現されています。セルビー・グレーとブラックの革に包まれたインテリアは、落ち着いた美しさと高級感を醸し出し、細部に至るまで繊細なデザインが施されています。特に、ヘッドレストに刺繍されたマシュラビーヤのモチーフや、スターライト・ドアのイルミネーションは、このモデルの特別感を一層引き立てています。
まとめ
ファントム・アラベスクは、その名の通り、中東の美しい文化を称えるとともに、技術の革新を示す傑作です。業界初のレーザー彫刻技術を用いたこのボンネットは、ロールス・ロイスが誇る職人技と革新性を象徴しています。今後も、この技術がどのように進化し、他のモデルに影響を与えるのか、大いに楽しみです。ファントム・アラベスクは、中東のコレクターたちに愛される特別な一台としてその役割を果たすことでしょう。