環境問題を楽しく学べる「マイアース新宿版」とは
新宿区において、環境課題についての理解を深めるユニークな取り組みが展開されています。その名も「マイアース新宿版」というカードゲームです。これは、宝塚大学東京メディア芸術学部や成女高等学校、JFL所属サッカークラブのクリアソン新宿、さらにはNPO法人SoELaとの協力によって生まれました。地域の生態系や環境課題に関する知識を楽しく学べるこのプロジェクトは、新宿区の協力のもと、地域連携の下で進められています。
トライアルの開始とその意義
「マイアース新宿版」は、この度プロトタイプ版カードを用いたトライアルが柏木地区で実施されました。それに向け、地域イベント「新宿かしわまつり」では体験ブースが設置され、多くの親子が参加する機会が提供されました。地域センターが主催するこのイベントは、家族連れに向けた楽しい内容で構成されており、「マイアース新宿版」の体験はその一環として行われました。
ゲームでは、クリアソン新宿の選手たちと、カード制作に協力してきた成女高等学校の生物部の生徒たちが、遊び方を説明しながら進行しました。参加した親子や子ども同士の対戦は自然に行われ、何度もゲームを繰り返し楽しむ姿が見受けられました。トライアルを通じて、子どもたちが「面白い」と感じるポイントや、環境問題についての理解を深めるための効果的な方法が発見されるなど、貴重なフィードバックを得ることができました。
柏木ライブでの授業実践
さらに、12月12日には新宿区立柏木小学校において、「柏木ライブ」という起業型探究プロジェクトの一環として授業が実施されました。この授業には3年生から6年生までの児童20名が参加し、クリアソン新宿の西山大輝が「マイアース新宿版」について説明しました。子どもたちは議論を交えながら、カードゲームの中で新宿に生息する生物や食物連鎖、人間活動が環境に与える影響を学びました。
授業では、「特別カード」としてクリアソン新宿のパートナー企業による環境貢献が紹介され、児童たちはその効果や意味を直感的に理解していました。後半では、自分たちが調査した新宿に住む生き物をテーマにしてオリジナルのカードを制作し、個別学習を促進させました。ミミズやカラスといった身近な生物を題材にしたカードを作成する子どもたちの姿は、主体的な学びを象徴しています。
教育現場からの反響
柏木小学校の菅野海都教諭は、「マイアース新宿版」の取り組みについて高く評価しました。彼は、子どもたちが環境問題やSDGsについて教科書やインターネットで学ぶ機会が多い一方で、地域の自然やその環境が抱える課題を知る機会は貴重であると述べています。この取り組みを通じて、子どもたちも大人も一緒に学ぶことの重要性が示されました。
今後の展開
今回のトライアルから得られたフィードバックを基に、「マイアース新宿版」は最終版の制作に向けて進行しています。2026年の2月か3月には完成予定で、地域活動において環境保全への意識を育むための教材としてさらに活用されることが期待されています。また教育、地域、スポーツが連携することで、次世代への環境学習の可能性も追求していくことでしょう。新たに生まれる学びの場が、地域にどのような影響を与えていくのか、今から楽しみです。