EV充電スタンド数の急増:2024年度の変遷
日本のEV充電インフラが、驚異的なスピードで進化を続けています。EV充電スタンドの情報を提供する「GoGoEV」からの報告によると、2024年4月から2025年3月にかけて、全国で約4,500の充電スタンドが新たに設置されるなど、その成長が顕著です。以下にその底流にある要因やデータを詳しく解説します。
充電スタンド数の概要
2024年度におけるEV充電スタンド数は、月ごとに異なるペースで増加し、累計で約4,500拠点に達しました。この増加率は、前年同時期に比べて約2.6倍にのぼり、急速充電と普通充電の両方で顕著な進展が見られます。特に、2025年1月にはGoGoEVの集計上、初めて25,000拠点を超える結果となり、変化の速度に驚かされました。
新規設置スタンド数の推移
実際に新規設置されたスタンド数はその月によって変動がありながらも、2024年度の最も多い月には1,396拠点もの新設が記録され、平均して約500拠点の新設がみられました。これは、国からの補助金制度を利用した設置が推進された背景にあります。特に、充電器の設置実績を報告する期限が近づくと、新設拠点数が急増する傾向が強いことが分かります。
充電器の種類ごとの進化
EV充電スタンドには、急速充電(CHAdeMO)と普通充電(200V)の二つの主要タイプがあります。
【急速充電(CHAdeMO)の状況】
急速充電器は、2024年4月から2025年3月までの間に2,100口が新たに設置されました。特に、ディーラーやコンビニでの急速充電スタンドの増加が著しく、特にコンビニは約140か所増設されました。このような動きは、今後も続くことが予想されるため、更なる増設を期待できます。
【普通充電(200V)の状況】
普通充電の設置も活発で、同期間に8,700口が新たに増加。特に宿泊施設や温浴施設で大幅な増設が行われ、目的地充電という新たな概念が整備されつつあります。この流れは、EVユーザーの利便性を高める要因となっています。
【TESLA(NACS)充電口の増加】
TESLAの充電スタンドにおいては、スーパーチャージャーの増設が続いており、この期間中に約160口が増加しました。高出力充電設備の設置も着実に進んでおり、今後はさらに利便性が向上するでしょう。これにより、TESLAユーザーも安心して充電ができる環境が整いつつあります。
充電スタンドの閉鎖状況
ただし、充電スタンドは新規設置が増える一方で、閉鎖するケースもありました。2024年度では、最も少ない月で61拠点、最も多い月では205拠点の閉鎖が確認されています。故障や老朽化によるものもあり、充電スタンドの衛生管理とメンテナンスが今後の課題となります。
まとめ
充電スタンドの数は、今後も増加し続けることが見込まれています。EVユーザーにとって利便性とアクセスビリティが向上する中、新しい充電スタイルやテクノロジーの導入も期待されます。普及が進むEV時代に向け、充電インフラの整備は欠かせない要素となるでしょう。今後の進展に注目しつつ、EV利用のさらなる促進が求められます。