第3回「観たいのに観れなかった映画賞」の結果を発表
特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会(通称:swfi)が運営する「観たいのに観れなかった映画賞」、略して「MME賞」の結果が発表されました。本賞は、働く女性が直面する映画鑑賞のタイミングを逃した状況を掘り下げ、彼女たちの声を具現化することを目的として開催されています。
投票の背景と上位作品の紹介
2023年、367名の方々がこの映画賞に投票し、その結果を基にした報告書が3月10日に公開されました。得票数の上位に選ばれた作品は以下の通りです。
- - 1位:「52ヘルツのクジラたち」監督:成島出
- - 2位:「あんのこと」監督:入江悠
- - 3位:「ナミビアの砂漠」監督:山中瑶子
これらの作品は、特に働く女性たちの心に響いたものとして評価され、多くの感想が寄せられています。
働く女性の映画視聴に対する想い
投票に参加した女性たちからは、「上位作品が最近上映される機会があると嬉しい」、「子育て後に映画を観ることが難しくなった」といった声が寄せられました。多くの女性が子育てや忙しさの中で映画鑑賞の時間を確保できていない現状が明らかになりました。また、映画館に求めるサービスとして、「託児所やオールナイト上映」が挙げられ、映画を観ることができる環境の重要性が強調されました。
MME賞の意義
MME賞は、映画業界における女性の労働環境を改善し、映画鑑賞の機会を提供するために設立されました。第1回から続くこの賞は、ただの受賞を超え、女性たちの「観たいのに観れなかった」という思いを反映し、彼女たちが映画に対して抱く情熱を形にしています。参加者の意見を集めることで、映画館と女性たちの距離を縮めることを目指しています。
働く女性の映画館離れの現状
調査によれば、近年働く女性の映画館利用率は減少傾向にあり、特に30代以上の女性の中で40%が映画館への訪問が減ったとされています。その要因として、ライフスタイルの変化や経済的な理由が挙がります。swfiは、こうした問題を解決するサポートをすべくMME賞を通じて意見を集め、映画館と女性たちの距離を再び近づける努力をしています。
活動の目的と展望
私たちの目指すところは、働く女性が年に1回は映画館で映画を楽しんでいただける環境作りです。さらに、彼女たちが観たい映画を気軽に観ることができるような労働環境に変わることを目標としており、このMME賞がその一環としての役割を果たすことを期待しています。
終わりに
映画はただのエンターテイメントではなく、社会の課題ともつながっていることを私たちは改めて認識しました。「観たいのに観れなかった映画賞」は、今後も多くの女性たちの映画鑑賞を促進し、業界全体の意識を高めていくことでしょう。より多くの女性が映画館に足を運ぶきっかけとなることを願います。これからもMME賞の活動にご注目ください。