J.S.バッハの新曲
2025-11-20 21:24:22

鈴木雅明が初演するJ.S.バッハの新発見曲とその魅力

鈴木雅明が演奏する新発見のJ.S.バッハ作品



2023年11月23日、東京オペラシティのコンサートホールにて、バッハ・コレギウム・ジャパンの第169回定期演奏会が行われる。この特別な演奏会では、音楽監督でオルガニストの鈴木雅明が、320年ぶりに発見されたJ.S.バッハのオルガン作品2曲を披露する。これらは本邦初演とされ、音楽愛好家にとって待望のイベントとなる。

今回の新発見は、11月17日にライプツィヒのバッハ資料財団から発表された。ブリュッセルにある王立図書館に保存されていた筆写譜集の中から見つかった2曲は、鍛錬の時期にあたるバッハが、南ドイツと北ドイツの技法を融合させようとした試みを反映している。これにより、若きバッハの成長過程が垣間見える。

新たな発見とその背景



この発見の過程には、30年以上にわたる調査があった。ライプツィヒ・バッハ資料財団の所長、ペーター・ヴォルニー氏が、無名のオルガニストであるザロモン・ギュンター・ヨーンに関する資料を元に、今回の楽曲がJ.S.バッハの作品であることを確定した。ヴォルニーによれば、1729年の願書に「バッハの弟子だった」との記録があり、彼の筆跡との照合により、今回の楽曲の写譜が彼によるものであると判明したという。

バッハの青春と音楽スタイル



バッハが18歳でアルンシュタットに赴任した1703年頃は、彼にとって重要な時期であり、作曲家としてのアイデンティティを模索していた。新たに発見された2曲の中には、オールドルフでの南ドイツの音楽伝統や、リューネブルクでの北ドイツの技法が融合している様子が見受けられる。変奏・オスティナートとフーガを組み合わせた構造、さらにはカンタータ第150番《主よ、われ汝をあおぎ望む》中に見られるチャコーナの素材への言及など、当時の彼の音楽語法が顕著に表れている。

今後の影響と期待



今回の発見により、BWV目録に新たに2つの番号が付与された。このことは、バッハ資料財団がこの75年間行ってきた研究の集大成であり、バッハの豊かな音楽世界をさらに深く理解する手助けとなるだろう。

演奏を前に、多くの音楽ファンがその音楽に触れる日を心待ちにしている。鈴木雅明の手による新たなバッハの作品に、多くの期待が寄せられている。演奏会では、この貴重な楽曲がどのように解釈され、表現されるのか、大いに注目したい。

バッハの音楽が時を超えて私たちの前に現れ、再びその美しさを味わうことができる瞬間が、今まさに迫っている。


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