AIと共に語る80年前の恋バナ
2025年8月10日、特別番組「ハタチと二十歳」がFM AICHIで放送されます。この番組は、80年前の日本で戦争を体験した女性と現代の大学生が恋愛について会話するという、画期的な試みです。製作は金城学院大学の国際情報学部の都築徹ゼミとFM AICHIが共同で取り組んでおり、リスナーに新たな視点から戦争を考えるきっかけを提供することを目指しています。
当番組の背景
2025年は太平洋戦争終戦から80年という重要な節目の年です。終戦当時、20歳だった女性が生きていれば、今年100歳になります。若い世代が戦争について関心を持ち、自身の問題として捉える機会を創出するため、都築ゼミの学生たちは様々なアプローチを模索してきました。その中で生まれたのが、「当時の女子学生と恋バナをしたい」というアイディアです。
学生たちは、終戦当時を生きた女性たちのインタビューや日記の解析を行い、その内容を基にしてAIを開発しました。このAIは、当時の女性の考え方や感じ方を模しており、特に「昭子」という名前で呼ばれるキャラクターが声を担当します。
番組の内容
放送は8月10日の日曜日、19時から30分間予定されています。AI「昭子」と現役の女子大生たちとの対話が進行され、AIとの会話がどのように展開されるのか、新しい形のコミュニケーションをリスナーが体験できる貴重な瞬間です。会話の合間には、当時の社会背景や日常生活についての解説も盛り込まれるため、ただの恋愛談義にとどまらず、深い歴史的コンテクストを感じることができるでしょう。
実際にAIを開発したTetra Tokyo株式会社の代表取締役、市川俊之氏は、「特定の個人をAIで再現することが重要」と強調しています。また、彼らはこれを通じて戦争の記憶が風化していくことに対する危機感も表明しました。
リスナーの皆様へのメッセージ
この特別番組は、単なる娯楽ではなく、戦争に対する新たな視点を提供し、視聴者に歴史を思考する機会を与えることを目的としています。戦後80年の節目にふさわしいこのプロジェクトは、リスナーにぜひ聴いていただきたい内容です。特に「radiko」といったスマートフォンアプリを用いれば、放送後1週間まで自由に聴くことができますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
最後に、このプロジェクトを通じて、戦争の記憶を次世代に伝え、そこから何を学べるのかをともに考えていくことが期待されています。私たちが今ここで話すことで、未来に繋がる何かが生まれることを願っています。