梅棒20th Breakdown『FINAL JACKET』稽古場レポート
ダンスとJ-POPが融合したエンターテインメントを提供する「梅棒」が、2025年に新作『FINAL JACKET』を発表します。この作品は、フルメンバーが集結し、男の子の心をくすぐる壮大な冒険物語を描いたバトルファンタジーです。稽古の真っ最中に、作・総合演出の伊藤今人も参加し、全メンバーで行った通し稽古の様子をお届けします。
物語の魅力
作品のあらすじは、文明を崩壊させるほどの力を持つ“伝説のジャケット”を巡る物語です。5つのパーツに分かれたジャケットのゆくえを追い求め、さまざまな勢力が激突します。梅棒らしいコミカルさやファンタジー要素が盛り込まれながらも、土煙や血が似合うハードボイルドな世界観が特徴です。各陣営によるバトルはシンプルながらも迫力があり、アクションと人間ドラマが織りなす魅力的な作品です。
力強さを感じるオープニング
オープニングではキャスト全員が軍服を身にまとい、力強い振り付けでダンスを披露します。物語のテーマに沿った力強さが感じられ、キャラクターの関係性や物語が進むにつれ、彼らのドラマが一層引き立ちます。作品内では、主人公たちのアウトロー的なたくましさや、軍の統率の取れた勇猛さ、それにジャケットのパーツが引き出す力など、陣営ごとに異なる“力強さ”が表現されています。
ノンバーバルで伝わる物語
梅棒の公演はセリフがなくても感情が伝わるノンバーバルなスタイルが特徴です。今回は懐かしいヒット曲から最新の曲まで多彩な楽曲が使われており、各キャラクターの個性や感情が歌やダンスによって十分に表現されています。客席も一緒に盛り上がりながら、楽曲による予想外のマッチングや新たな味わいを楽しむことができるでしょう。
稽古の様子
稽古は緊張感が漂いながらも、和やかな雰囲気で進行しています。全員が真剣に取り組む姿勢が、何度でも見たくなる作品を生み出しているのです。東京公演には日替わりゲストも参加しますが、モブキャラクターは全て梅棒メンバーが演じます。メイン役とは180度異なるキャラクターを演じる姿が楽しめ、演者たちのダンススキルや表現力も見どころです。
キャラクターの魅力を紹介
マグナス(櫻井竜彦)
主人公であるマグナスは気だるげな雰囲気を持ちながらも、周囲のトラブルに巻き込まれます。彼のクールな態度は「男が憧れる男」としての魅力を引き出し、タバコを片手にドンと構える姿が頼もしい。
伊藤の信念
伊藤今人は登場するたびに場を引き締め、その圧倒的存在感で観客を圧倒します。彼が演じるキャラクターには忠誠を求められる場面もあり、観客を引き込む力を持っています。
ストーリーテラー梅澤
ストーリーテラーを務める梅澤は、観客との橋渡し役として重要な存在で、彼の愛嬌あるパフォーマンスが作品をさらに引き立てます。
鶴野の成長
ギャグとシリアスな要素を兼ね備えた鶴野の演技は、物語を進める重要な役割を果たします。彼の葛藤は特に見逃せません。
遠山の繊細さ
普段は強烈なキャラクターが多い遠山ですが、静かな役ながらも繊細に感情を表現しています。
塩野のギャップ
見た目と中身のギャップで観客を魅了する塩野は、迷いや苦悩を体全体で表現し、多くの共感を呼び起こします。
楢木の存在感
楢木は独自のセクシーさをダンスで表現し、他のキャラクターとの絡みでも存分に魅了します。
天野の胡散臭さ
柔らかな魅力と少しの胡散臭さを持つ天野は、独自のスパイスとして作品にアクセントを加えています。
野田の癒し
清涼剤的な存在の野田は、まっすぐなキャラクターで観客に癒しを提供します。
多和田のバランス感
多和田はユーモアと憎たらしさを絶妙に同居させたキャラクターを演じ、セリフなしでも明確に感情を伝えます。
SuGuRuの新たな風
新メンバーのSuGuRuは、コミカルながら強さを併せ持つキャラクターをエネルギッシュに演じており、今回の新しい振り付けにも注目です。
まとめ
『FINAL JACKET』は2025年11月8日から24日まで池袋サンシャイン劇場にて、続いて名古屋や大阪でも公演が予定されています。梅棒が織りなす熱く・泥臭く・壮大な物語をぜひ劇場で体感してみてください!