SPAC秋のシーズン2026-2027が開幕
2026年10月から静岡県舞台芸術センター(SPAC)で開催される秋のシーズンが、文学と移民をテーマにした新作と再演のラインアップを発表しました。これまでのシーズン同様、今年も観客を魅了する演劇が目白押し。
【注目のラインアップ】
1. 『伊豆の踊子』
最初に登場するのは、多田淳之介が台本・演出を手掛ける川端康成の名作『伊豆の踊子』です。2013年に小説が発表されてからちょうど100年を迎え、再演されることとなりました。物語は孤独を抱えた青年が伊豆の踊子と出会い、彼女との旅を通して変わっていく様子を描いています。
初演では、観光演劇として注目され、映像を駆使して伊豆の美しい風景が映し出されるなど、視覚的な魅力でも楽しませてくれた作品です。旅の途中での心の変化を、観客が共鳴できる形で表現している点も見逃せません。
2. 『ニホンジン』【新作】
続いて紹介するのは、瀬戸山美咲が台本・演出を務める『ニホンジン』です。こちらはブラジル日系三世の作家オスカール・ナカザトの小説を原作としており、20世紀初頭に日本からブラジルへ渡った家族の物語を描いています。
この物語はヒデオという青年が、故郷への帰還を夢見てブラジルでの生活を営む中で直面する現実や、彼の子孫たちが新たな生き方を模索していく姿が描かれます。文化やアイデンティティをテーマにしており、現代の多様な社会においてどのように他者と共生するのかを考察させられます。
3. 『星の王子さま』【新作】
2027年1月からは、深沢襟が構成・演出・舞台美術を手掛け、音楽家・額田大志が音楽を担当する『星の王子さま』が上演されます。サン=テグジュペリの名作を基にしたこの作品は、インクルーシブな視点から、人生の奥深いメッセージを巧みに描き出します。
深沢の独自の舞台美術と音楽の融合によって、視覚と聴覚の両方から観客を魅了することでしょう。
【演出家たちの思い】
各演出家は作品に込めた思いや、観客に届けたいメッセージを熱く語っています。
- - 多田淳之介は『伊豆の踊子』が観客に旅を体験させる力があると信じ、舞台を通じて一緒に物語を感じてほしいと語ります。
- - 瀬戸山美咲は、ブラジルでの移民との触れ合いから自らの視野が広がったとしたうえで、民族による線引きの無意味さを訴えます。
- - 深沢襟が演出する『星の王子さま』では、見えないものにこそ大切なことがあるというメッセージを発信し、「今を生きる私たち」の物語として発展させていくとされています。
【チケット情報】
チケットの発売は8月30日から開始。チケット価格は一般4600円から学生向け割引もあり、幅広い層に楽しんでもらえる設計です。詳細はSPACの公式サイトをご確認ください。
この秋、SPACの舞台で心に残る体験をしてみませんか?地域コミュニティとともに歩み、新たな視点をもたらす演劇の数々が待っています。