センシアテクノロジーが提案する新しい音の形
最近、株式会社センシアテクノロジーは薄く柔らかい布状スピーカー「ファブリックスピーカー・ポータブル」を発表しました。このスピーカーは革新的な技術を基にしており、持ち運びが簡単で、タペストリーのように壁に掛けて使用できることが特徴です。さらに、寝具と組み合わせて音楽を楽しむ新たな体験を提供することが期待されています。
布状スピーカーの誕生背景
センシアテクノロジーは、産業技術総合研究所のフレキシブルエレクトロニクス技術を基にしたスタートアップで、2018年にはファブリックスピーカーの実用化を目指した研究を開始しました。このスピーカーは導電性繊維を用いたキャパシタ構造から音を生成しており、従来のスピーカーにはない特性を持っています。薄くて柔軟、そして音が面全体から放出されるという特長は、スピーカーの利用範囲を広げる可能性を秘めています。
「ファブリックスピーカー・ポータブル」の技術的特性
新開発のファブリックスピーカー・ポータブルは、製造技術の進化を示す良い例です。
コンパクトな大きさと持ち運びの便利さ
このスピーカーは、携帯可能なサイズでありながら、優れた音圧出力を実現しています。具体的には、手のひらサイズで重さは100g以下。さらに、65dBを超える音圧出力を誇ります。これを実現するために、高電圧駆動が必要な静電スピーカーとしての特性を克服し、安全性を重視した電気設計が施されています。
縫製技術の革新
また、スピーカーの製造において、センシアテクノロジーは縫製技術のみを用いる新しい方法を開発しました。従来の接着技術では生じる硬さや厚みを排除し、布の柔軟性を保ちながら高い音質を実現しています。この技術は、デザインの自由度を高め、多様な製品展開が可能となりました。
つくばクオリティ認定
ファブリックスピーカー・ポータブルは、2025年度つくばクオリティに認定されています。これは、つくば市から優れた商品を認定される制度であり、今後、国内外への魅力的な発信が期待されています。
今後の展開とカスタマイズの可能性
センシアテクノロジーは、電気用品安全法に適合する確認と無線機器の技術基準証明(技適)を経て、一般販売を開始する予定です。また、スピーカーのデザインや形状は多様にカスタマイズができるため、インテリア製品や広告媒体など、様々な分野での活用が期待されています。法人向けテストモデルや受託開発の相談も受け付けており、新たなビジネスパートナーの募集も行っています。
企業情報
株式会社センシアテクノロジーは、茨城県つくば市に本社を構えており、テクノロジーを駆使した新しい製品開発に取り組んでいます。彼らのウェブサイトは
こちらです。今後の展開に目が離せません。