OSPハートフルの藪野英選手がデフリンピックに出場
聴覚障がいを抱えるアスリート、藪野英選手が11月15日から26日に東京で開催されるデフリンピックに出場します。彼はOSPハートフル株式会社で働きながら、競技にも打ち込む若き才能です。
藪野選手の成り立ち
藪野選手は大阪府出身の23歳。中学1年生の頃、ろう学校でバレーボールに出会い、そこから彼のバレー人生が始まりました。初めて健聴者と試合をした際、思うようにプレーできず大敗を喫しましたが、その時に「聞こえないのによく頑張ったね」と言われたことが悔しさとなり、より一層の努力を決意させました。その結果、彼は日本代表として世界大会に出場し、昨年のデフバレーボール世界選手権では見事6位を収めています。
職場でも彼の明るさは周囲を元気づけ、まさにムードメーカーとして活躍しています。彼は「手話が共通言語」とするOSPハートフルの環境を非常に評価しており、障がいに対する理解が深い職場であることを自負しているようです。
バレーボール競技への情熱と準備
デフリンピックは、耳が「きこえない」「きこえにくい」人々のためのオリンピックであり、今年は日本で初めて開催されます。藪野選手は、代表合宿が始まる約1か月前から特別休暇を取得し、全力で競技に集中しています。この特別な支援体制は、彼が競技と仕事を両立させるために非常に重要な要素となっています。
OSPハートフルの取り組み
OSPハートフルは、「障がいへの配慮はするが、遠慮はしない」のモットーのもと、環境整備に注力しています。障がいの有無にかかわらず、誰もが活躍できる理想的な職場を目指し、直近の3年では従業員定着率がなんと100%を記録しました。
職場では、手話勉強会やスキルシートの作成が行われており、身体への負担を軽減するための施策も実施されています。これにより、従業員一人一人が自分の能力を最大限に活かすことができる環境が整っています。
デフリンピックへの意気込み
藪野選手は、「日本初開催のデフリンピックで、絶対に勝ちたい。メダルを持ち帰り、恩返しがしたい」と強い意欲を見せています。この言葉には、彼自身が仕事や競技を通じて多くの人に支えられてきた感謝の気持ちが込められています。
東京2025デフリンピックの詳細
デフリンピックは国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催するイベントであり、今年は70~80カ国から約6,000名の選手が参加します。競技数は21種目に及び、バレーボールは11月16日から25日にかけて、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われます。藪野選手は、アウトサイドヒッターとしてチームの一翼を担い、勝利を目指します。
まとめ
藪野選手の挑戦は、OSPハートフルの職場環境と彼自身の努力によって実現しています。これからの大会では、彼の成長と、自分を支えてくれる仲間への感謝を胸にバレーの試合に臨むことでしょう。多くの人々の期待を背負い、彼の活躍から目が離せません。