詐欺被害を防ぐための家族の絆
特殊詐欺が全国で深刻な問題となる中、城島茂特別防犯支援官が「年齢に関係なく被害が広がる今こそ、家族の絆で詐欺被害を防ぎましょう」と呼びかけました。この呼びかけを受けて、千葉県警察は「『見破れ!ニセ警察詐欺』電話de詐欺被害防止イベント」を開催。市民と一緒に詐欺の実態を学ぶ機会を提供しました。
イベントの概要
2025年10月5日、テラスモール松戸で開催されたこのイベントでは、城島氏が参加者に向けて、特殊詐欺の現状や手口について説明しました。特に、「電話de詐欺」や「ニセ警察詐欺」に関するクイズ形式のセッションが行われ、多くの来場者が積極的に参加しました。イベントの冒頭では、令和6年の全国での特殊詐欺認知件数が約2万1千件、被害額が約720億円に達する現実が示され、城島氏もその数字に驚きを隠せませんでした。
千葉県の特殊詐欺の現状
千葉県では昨年、特殊詐欺の認知件数が944件、被害額は約42億円に達し、全国的にみても深刻な状況にあります。この数値の中でも最も顕著なのが「オレオレ詐欺」。城島氏は、過去の活動で地域コミュニティと緊密に協力し、コンビニを通じて防犯意識を高めた経験を語り、こうした連携が被害防止へとつながることを強調しました。
ニセ警察詐欺の手口と危険性
次に、警察官を名乗るニセ警察詐欺の実態について、詳細な説明が行われました。この詐欺は特殊詐欺認知件数の約7割を占めており、犯人はLINEを使用して「あなたの口座が犯罪に使われている」といった不安を煽るメッセージを送り、被害者を錯乱させる手法を採用しています。城島氏が実演を交えたAIによるLINE上での詐欺被害体験も非常に印象的でした。
このような詐欺においては、思わぬことで判断を鈍らせる要因が多く、その危険性を強調しつつ、「警察はLINEで連絡を取ることも金銭を要求することもありません」とハッキリと伝えました。特に、若い世代の被害者が多いことには注意が必要で、「自分だけは大丈夫」と思わず、周囲との連携が不可欠です。
具体的な防止策
イベントの終盤では、電話が国際電話であることが多いことが指摘されました。城島氏からは、国際電話の着信をブロックすることを奨励され、手続きは無料で固定電話にも適用できることが伝えられました。彼の言葉には力強さがあり、「電話に出ないことが一番重要」だと締めくくりました。
家族との絆を深める意義
イベントを通して、家族の絆の重要性が再認識されました。詐欺の手口が巧妙化する中、周囲とコミュニケーションをとることの大切さが強調されました。「一人で悩まず、家族や友人に相談してください」という城島氏のメッセージは、参加者に深い感銘を与えました。
最後に、行動を起こすことこそが詐欺被害を防ぐ一番の方法であるとし、非常に心に響くイベントとなりました。参加者は帰宅後、家族との防犯意識を高めることの大切さを改めて考えることでしょう。