不動産経営者・後藤和成氏が挑む世界GⅠ「ジャックルマロワ賞」の裏側
名古屋に本社を構える住まいのグループ株式会社の代表取締役である後藤和成氏が、愛馬「ゴートゥファースト」をフランスのドーヴィル競馬場で行われる世界的なGⅠレース「ジャックルマロワ賞」に出走させることを発表しました。この挑戦は、彼が長年の不動産経営で築き上げた経営哲学を馬主事業に反映させた新しい成長戦略の実践モデルとも位置づけられています。
地域密着からグローバルへの展望
住まいのグループ株式会社は、2014年に設立されて以来、名古屋市を中心に分譲地開発や戸建住宅建築、リフォームなどの幅広い事業を手掛けてきました。また、ホールディングス会社「株式会社K2」としてM&A支援や経営コンサルティングにも力を入れ、地域経済の発展を図っています。
後藤氏は、「不動産経営は、物件を扱うだけではなく、資産の成長可能性を見抜き、それを育てる事業である。経営者は常に『見えない価値』と向き合わねばならない」との信念を持っています。
経営戦略としての競馬
後藤氏は2020年にJRA馬主資格を取得し、初めて所有した馬「ゴートゥファースト」は、2023年にファイナルステークスでオープン入りを果たしました。2025年にはさまざまな重賞に挑戦する意向で、その内容やポテンシャルは非常に高く評価されているといいます。管理を担う新谷功一調教師は、「芝質の違いが大きい。どれだけ適応できるかを見極めたい」と意気込みを語っています。
経済回収ではなく経験を重視
国際レースへの遠征には多くのコストが必要ですが、後藤氏は「馬主は経験への投資でなければならない」と強調しています。この思考は、結果だけでなく「話題性」や「市場価値」を生み出す発想を不動産事業にも生かすものです。経営判断と馬主としての判断を切り離さず、両者ともを推進する姿勢が彼の大きな特徴です。
世界最高峰の舞台に挑む
ジャックルマロワ賞は、欧州の名だたる国際マイル競走であり、日本馬の挑戦は1998年のタイキシャトル制覇以来、久しぶりのことです。後藤氏は「世界での経験は地域経営に厚みを持たせる。経営も競馬も『循環する挑戦』でなければならない」と語っています。
成長戦略の新たな局面
近年、人口減少や都市再編などの背景を踏まえ、後藤氏は経営資源の多様化と国際的な視点を重視しています。彼は「世界で学び、それを地域に生かす。この循環が企業を強くし、成長を促す」と力強く述べています。馬主事業は、経営哲学に基づく意思決定の訓練の場でもあると位置づけています。
未来を見据えた挑戦
フランスへの挑戦は、短期的な勝敗を超えて、人材育成や視野の拡張、長期経営計画の一環です。後藤氏は「挑戦し続けることが、リーダーの責務である」と語り、さらなる成長へ向けた意欲を示しています。
後藤氏からの期待のメッセージ
「この挑戦が、いつの日か希望と誇りに変わる瞬間を皆さんと共有できると嬉しい。私たちには、十分な実力があると信じて今日もフランスへ向かいます。私たちの選択が、間違っていなかったことを世界に証明してみせます。」
出走予定レースの概要
- - レース名:ジャックルマロワ賞(GⅠ)
- - 開催日:2025年8月17日
- - 開催地:フランス・ドーヴィル競馬場
- - 出走馬:ゴートゥファースト(牡5歳/栗東・新谷功一厩舎)