レスター・バングス初邦訳著作集刊行の意義と特設ガイドの紹介
2025年7月4日に、株式会社トンカチからレスター・バングスの初の邦訳著作集『サイコティック・リアクションズ・アンド・キャブレター・ダング』が刊行されました。バングスは1970年代から80年代にかけて、ロック評論の先駆者として活躍し、数多くのアーティストや作品に影響を与えた伝説の評論家です。この著作集は、彼の死後に編纂されたオリジナルのアンソロジーを基にしており、日本語に完全に翻訳されたのはこれが初めてとなります。著者として名を連ねるバングスは、音楽だけに留まらず、彼の言葉ひとつひとつが文化や社会に対しても鋭く切り込む力を持っていました。このような重要な著作が日本で読めることは、ロック文化においても非常に意義深いことでしょう。
翻訳を担当したのは、音楽やカルチャーへの深い理解を持つ翻訳家、奥田祐士氏です。彼は膨大な原稿を元に、バングスの独特で情熱的な文章を日本語へと見事に生かしました。その結果、この本は672ページにも及ぶ分厚さを誇っています。
しかし刊行から1ヶ月が経過する中で、読者の多くがその分厚さと独特な文体に圧倒され、手を付けられないという声がちらほら聞こえてきました。バングスの作品は確かにクセが強く、それに触れるには勇気が要りますが、でもこの本には実は親しみやすい部分もたくさん存在します。読む順番や理解のコツを示すため、トンカチの特設ブログ記事「おせっかいと言わないで。あるいは、レスター・バングス読書の手引」が公開されました。
特設ガイドの中身
特設ガイドでは、編集部が独自の視点で「ここから読むといいかも」というおすすめの部分を選び、読みやすくするためのヒントを紹介しています。これにより、バングスの文体に挑戦することに躊躇している方々も、少しずつその魅力に触れることができるはずです。古典的なロックファンにはもちろんのこと、初めてバングスに触れる人にとっても、このガイドは大いに役立つでしょう。
この著作集とガイドは、バングスの思想や文体に接する貴重な機会であり、彼の影響を再確認する素晴らしい材料です。著作集の中には彼の特有の言葉遣いとその熱量が込められており、今日の音楽シーンにおいてもその影響の強さを感じずにはいられません。
書籍情報
- - 書名: サイコティック・リアクションズ・アンド・キャブレター・ダング
- - 著者: レスター・バングス
- - 編者: グリール・マーカス
- - 訳者: 奥田祐士
- - 出版日: 2025年7月4日
- - 定価: 5,500円(本体5,000円+税)
- - ISBN: 978-4-910592-41-1
この著作集を手に取り、レスター・バングスの世界へ足を踏み入れてみましょう。彼の言葉の力を感じながら、ロックの原点に立ち返ってみるのも良いかもしれません。詳細情報についてはトンカチストアや特設サイトをぜひご覧ください。かつてのロックの激動の時代を語る彼の言葉は、今もなお色褪せない魅力を放ち続けています。