2023年8月19日、東京オペラシティコンサートホールにて、石田泰尚指揮の弦楽アンサンブル「石田組」が公演を行い、全席完売という快挙を成し遂げました。今回の公演は、2日間で3回行われ、そのうちの2回目は平日の昼間ということもありながらも客席は満席となりました。以前、サントリーホールでのパフォーマンスを終えたばかりの彼らですが、クラシック音楽の枠を超えてその人気を拡大させています。
公演では、バロック音楽がテーマに据えられ、J.S.バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディといった名作が演奏されました。これらの作品は、楽曲の持つ深みや気品を引き出すために、石田組のメンバー全員が役割を変えながらが表現したのが印象的です。特に、石田の独奏時の技術やアンサンブルの連携は、まさに圧巻といったものでした。
また、新たにレパートリーとして加わったアメリカの作品「大いなる西部」「アショカン・フェアウェル」が披露されると、石田のフィドルの演奏が非常に美しく、観客の心をつかみました。そして、続いて演奏されたガンズ・アンド・ローゼズの「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」では、ヴィオラの須田祥子が主導権を掌握し、息をのむほどのパフォーマンスを見せました。このように、クラシックとロックという一見異なるジャンルを見事に織り交ぜる姿勢は、石田組の特長でもあります。
40代から50代の洋楽ロックファンには馴染み深いオアシスの「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を演奏する際には、観客との一体感が漂いました。石田の演奏するヴォーカルラインに観客が浸り、やがてサビがトゥッティへと引き継がれていく様子は、まるでオアシスのライブを彷彿とさせました。公演の終演後は、観客が総立ちになり、彼らを称賛する拍手が鳴り響きました。ここまでの盛況ぶりは、オペラシティで初めて見る光景でした。
それでは、次の公演に目を向けてみましょう。2026年10月11日には、大阪城ホールでの特別公演が控えています。このイベントは、石田組の全国ツアーのハイライトとも言えるもので、特に武道館での熱狂が記憶に新しいですが、大阪城ホールではそれをさらに上回る規模でのパフォーマンスとなります。360度を観客で囲む設計は、石田と観客の距離を一層近づけ、特別なコミュニケーションを生み出すでしょう。
「石田組」は2014年に結成され、以来、クラシックからロックまでの幅広いジャンルで数多くの名曲を生演奏してきました。メンバーは、石田が信頼を寄せる首都圏内の実力派オーケストラプレイヤーで構成されています。今後も彼らの多様性のある演奏に期待が高まるばかりです。今回の東京オペラシティでの成功を経て、次の公演にも注目したいと思います。石田組が次にどのような新たな表情を見せてくれるのか、楽しみです。