タブレット純、感動のリサイタルを浅草公会堂で開催
6月9日、東京・浅草公会堂において、ムード歌謡の貴公子、タブレット純のリサイタルが盛況のうちに開催された。元「和田弘とマヒナスターズ」のボーカルであり、お笑い芸人としても知られるタブレット純は、50歳を迎えた今もなお、その歌声で人々を魅了し続けている。
会場には熱心なファン約1000人が集まり、タブレット純が登場する前から期待感が高まっていた。第1部が始まると、赤いラテン風の衣装をまとった彼が登場し、一瞬で観客を虜にした。オープニングはラテンミュージックの名曲「コモエスタ赤坂」で、彼を支えるのは「東京パノラママンボボーイズ」。続いて、ラテンの名曲「ベサメムーチョ」や、山本リンダの「どうにもとまらない」を披露し、観客を歓喜の渦に巻き込んだ。
その後、彼は美しい青いドレスに身を包み、オリジナル曲「東京パラダイス」を堂々と歌い上げた。司会者の西寄ひがしからは過去の「ブレイク寸前」なエピソードについて言及され、タブレット純はユーモアたっぷりに自身のヒストリーを語り、会場は笑いに包まれた。この部分では、和田弘とマヒナスターズの「回り道」、オリジナルの「そんな事より気になるの」、シャンソンの「暗い日曜日」なども披露され、名曲の数々にファンは感極まった様子だった。
また、タブレット純の特技でもあるテレビ番組の名ナレーションのものまねメドレーも用意されており、観客の笑いを誘った。さらに、彼が作詩・作曲し、阿佐ヶ谷姉妹に提供した「おしぼりをまるめたら」で第1部は幕を閉じた。
続く第2部では、金色のコスチューム姿で登場し、自らドラムを叩きながらアリスの「今はもうだれも」を力強く歌唱。そこにサプライズ・ゲストとしてアリスのドラマー矢沢透が加わり、二人の息の合ったパフォーマンスで「チャンピオン」を熱唱。さらに、70年代の男性アイドルの名曲メドレーを披露し、元スクールメイツ6人によるダンスユニット「team 80’s」がバックで盛り上げた。タブレット純は赤い吊りズボン姿で郷ひろみと樹木希林のデュエットを楽しそうに歌い上げる様子が印象的だった。
続けてピアノを用いた弾き語りでは、エルトン・ジョンの「YOUR SONG」、ジョン・レノンの「IMAGINE」をしっかりと歌い上げ、感動を与えた。加藤登紀子が作詩・作曲した「母よ」や、NHKの「深夜便のうた」にもなった「銀河に抱かれて」で第2部は締めくくられた。
アンコールには、タブレット純の得意とする歌謡浪曲の「俵星⽞蕃」や、田渕純名義で発表した名曲「夜をまきもどせ」などを披露し、昭和歌謡から外国曲、オリジナル作品まで幅広いレパートリーで楽しませた。
タブレット純らしいユニークなトークを交えながら、彼は全24曲を熱唱し、終始ファンと一体となった一夜のリサイタルは、記憶に残る特別な時間となった。