大阪・関西万博での新しいスポーツ体験
2025年9月3日から9月8日まで、大阪・関西万博にて「Sports Future Lab~スポーツがつくる未来~」が開催されました。このイベントでは、特に注目を集めたのが、スポーツ庁が出展した「SYNC HEARTS BOX」と呼ばれる茶室空間です。
SYNC HEARTS BOXとは
「SYNC HEARTS BOX」は、畳の茶室で心拍計を装着し、訪れる人が一体感を感じられる体験型ブースです。これは、スポーツ庁が推進する「Sport in Lifeプロジェクト」の一環として設けられており、茶道の精神「一座建立」を最新技術で具現化しています。ここでは、心拍のリズムが周囲と同調していく「心拍同調」の仕組みを使用して、体験者同士の心と体がシンクロする感覚を楽しむことができました。
参加者は「紙風船エクササイズ」を通じて、限られた空間の中で仲間と共に楽しい時間を過ごし、予想以上の人気を博しました。来場者の行列はこのブースの新しいスポーツの可能性を物語っています。
スマートフェンシングⓇトーナメントの開催
もう一つの目玉は、9月6日土曜日に開催された「TheスマートフェンシングⓇトーナメント」です。大日本印刷株式会社が開発した「スマートフェンシングⓇ」は、柔らかい剣を用いた安全なフェンシング体験を提供するもので、筑波大学のバイオシェア技術とも組み合わせることで、観客と選手がリアルタイムで心拍数を共有する新たな観戦スタイルを生み出しました。
参加者はリストバンド型デバイスを装着し、選手の心拍数に反応して振動やLEDの点滅で興奮を共有できます。さらに、観客は自分のスマートフォンから「応援ポイント」を送信し、そのポイントが試合結果に影響を与える仕組みも導入されています。このように、観客が自ら試合に参加できるスタイルが新たなスポーツ観戦の形として注目され、実際に観客が選手への応援センターとなっていました。
トーナメントには、オリンピック金メダリストの宇山賢選手も登場し、観客との真剣勝負を繰り広げました。その瞬間、緊張感が心拍数に影響を与え、観客みんながその熱を肌で感じたことだと思います。スポーツ観戦の新しい楽しみ方が今ここに現れたのです。
「ここスポ」の紹介
今回の万博における取り組みは、スポーツ庁の「Sport in Life(SIL)」の理念に基づいて、すべての人々がスポーツに関わる新たな価値を提供する試みでもあります。また、スポーツ庁が運営するポータルサイト「ここスポ」は、スポーツに関心がある人が必要な情報を見つけるための「ハブ」として機能しています。このサイトでは、イベント情報や体力測定、自宅でできるスポーツの実践例が紹介され、スポーツへのアクセスをより一層容易にしているのです。
室伏広治スポーツ庁長官は「スポーツはする・みる・ささえるすべての立場を結びつける力を持つ。今回の観客参加型トーナメントはその未来像を象徴する取り組み」と強調しました。これにより、スポーツを通じての人とのつながりや健康的なライフスタイルの実現が期待されることでしょう。
未来のスポーツ観戦の可能性
この一連の取り組みは、オリンピックなどの国際イベントや地域のスポーツ活動にも新たな影響を与えるとともに、子どもたちがスポーツを学ぶうえでの新しい環境作りに寄与する可能性を秘めています。スポーツ庁としては、今後もこのような画期的なイベントを通じて、地域や教育の場でもスポーツの重要性を広めていく決意です。
まとめ
全体を通じて、大阪・関西万博でのこのような取り組みは、スポーツというものが持つ力を再認識させる場となりました。心拍数を共有することで、選手と観客、さらには地域のコミュニティ全体が一体となる新しいスポーツの未来が見えてきます。