映画『ロッコク・キッチン』の劇場公開決定
映画『ロッコク・キッチン』が2026年2月14日(土)より、ポレポレ東中野にて公開され、その後3月6日(金)からはシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』を皮切りに全国各地での上映がスタートします。この作品は、福島県を舞台に、原発事故から13年が経った現在における人々の生活を描いた感動的なドキュメンタリーです。
震災からの変化を映し出す
2011年に発生した東日本大震災は、多くの人々の日常を奪い、福島の地に深い爪痕を残しました。しかし、年月が経ち、地元の住民や移住者、復興に関わる人々が共に新しい生活を築いています。『ロッコク・キッチン』は、そんな福島の人々の日常を通して、食を通じたつながりや人生のストーリーを描いています。
共同監督の川内有緒さんがインタビューを担当し、映像監督を務める三好大輔さんが撮影を行うことで、リアルな視点から福島の現状を映し出しています。物語の背景には、国道6号線(通称「ロッコク」)を巡る旅があり、訪れる人々の多様なストーリーが絡み合う様子が軽やかに描かれています。
食を切り口にした日常の記録
本作品の特徴は、食に焦点を当てていることです。主人公たちのキッチンや食卓での交わりは、彼らの生活や感情を深く反映しており、時には一人暮らしの静かなキッチン、時には大人数で囲む鍋や温かいスープが、過去の辛い記憶や希望を織り交ぜています。これまでの震災関連のドキュメンタリー作品とは一線を画し、喜びや悲しみの記憶を香り高い料理や心温まる会話を通じて感じさせてくれます。
地元住民とともに紡ぐ記憶
映画本編には、震災以前の地元住民が提供したホームムービー映像も使用されており、過去の日常や家族の風景が映し出されています。これらは、震災後の再開発や解体によって消えゆく「暮らしの記憶」を、次世代へ手渡す貴重な資料となっているのです。このように、食を通じた交流の背後には、深い歴史と物語が隠されています。
予告編の公開とイベント情報
また、映画公開に伴い、ポスタービジュアルや予告編も発表されました。予告編では、震災の影響を受けた福島の映像から始まり、そこで働く人々や美味しそうな料理の映像が次々と流れ、彼らの故郷への思いが伝わります。
加えて、公開記念プレイベントも企画されています。1月16日(金)から18日(日)まで恵比寿のギャラリー「山小屋」での展示会が行われ、1月31日(土)には福島県富岡町での先行上映会も予定されています。興味のある方は、ぜひ参加してこの映画のストーリーに触れてみてください。
終わりに
映画『ロッコク・キッチン』は、ただのドキュメンタリーではなく、人々の記憶と日常を織り成す貴重な作品です。福島の現在を知るために、ぜひ劇場でその目で確かめてみてはいかがでしょうか。