雅楽と現代音楽の新たな交差点『伝統と革新3』
2025年11月17日、東京オペラシティリサイタルホールで開催される『Naoyuki MANABE GAGAKU Ensemble 2025公演 伝統と革新3』は、雅楽の伝統を新たに解釈し現代音楽と融合させる魅力的な体験を提供します。注目すべきは、中堀海都による新作「星霜」が全楽章披露されることです。この作品は、彼が3年間にわたり制作した渾身の大作であり、雅楽の未来を描く重要な作品とされています。
NMGE(Naoyuki MANABE GAGAKU Ensemble)は、2020年にコロナ禍の中で新たに結成されました。彼らは伝統的な雅楽の響きを現代的なアプローチで再構築し、会場にいる観客に新しい音楽体験を提供することを使命としています。彼らの演奏は、1300年という長い間受け継がれてきた雅楽の伝統と、現代音楽の最新技術を巧妙に融合させた、新たな伝統の形成を目指しています。
今回の演奏会では、2023年に演奏された武満徹の名曲「秋庭歌」に再度挑戦します。この曲は、雅楽の要素を取り入れた作品であり、NMGEはその独自の解釈を余すことなく表現しました。「秋庭歌」には、夜多羅拍子(2拍と3拍の組み合わせ)、振動拍子、退吹といった多様なリズムが特徴として盛り込まれており、NMGEはこれを通じて、武満が雅楽の根幹をどのように捉え、解釈していたのかを感じることができます。
特に見逃せないのが、中堀海都の「星霜」を聴くチャンスです。彼は14歳から作曲を始め、武満徹に強い影響を受けてきました。この「星霜」は、彼が武満が描いていた世界観をどのようにして受け継ぎ、さらに発展させたのかを示す重要な作品であり、雅楽の未来を感じさせる力強いメッセージが込められています。全楽章が披露されるこの機会は、聴く者にとって必聴の瞬間となることでしょう。
プログラムには、
- - 伝統は千年の呼吸に宿る 〜とこしえの聲〜からの神楽歌《早歌》
- - 蘇莫者を紐解き秋庭歌を読み解く 〜伝統の革新 革新が伝統に〜というテーマで、《盤渉調調子》《蘇莫者》の序・破、そして武満徹の《秋庭歌》(1973)
が含まれます。この二作品の対比分析は、聴く者に深い理解を促し、新たな発見をもたらすことでしょう。
演奏者陣は、笙の真鍋尚之、豊剛秋、永井大志をはじめとする精鋭のメンバーで構成されており、特別出演には笙の豊英秋が予定されています。また、賛助出演としてが篳篥の柏木理、笛の大谷忠平が加わります。
チケットはカンフェティを通じて購入可能で、一般5000円、学生2500円という手頃な価格で本格的な演奏を体験できます。音楽ファンはもちろんのこと、これから雅楽に触れようとする方々にも新たな発見が待っています。ぜひパフォーマンスを見逃さないでください。
要約:
2025年11月17日、『伝統と革新3』の舞台で、新たな雅楽の世界を体感してください。チケットは現在販売中です。