三菱ケミカルが植物由来樹脂のプリプレグでISCC PLUS認証取得

環境に優しい新素材、三菱ケミカルのプリプレグ

三菱ケミカルグループは、2024年11月にISCC PLUS認証を取得した植物由来樹脂を使用したプリプレグの新シリーズ、「BiOpreg#500シリーズ」の開発を発表しました。この認証は、持続可能な製品を証明する国際的な基準であり、環境への配慮が求められる現代において特に重要な評価です。

プリプレグとは？

プリプレグは、炭素繊維やガラス繊維に樹脂を含浸させたシート状の材料です。この材料は、強度が高く、加工が容易であるため、航空機や自動車などの高性能な部品に広く使われています。従来、三菱ケミカルは一部に植物由来の樹脂を使用したプリプレグを展開していましたが、今回の「BiOpreg#500シリーズ」では、全体の材料に植物由来の樹脂を取り入れたことで、より環境負荷を低減できる製品となっています。

ISCC PLUS認証の意義

ISCC PLUS認証は、企業が製品の持続可能性を証明するための信頼できる指標です。三菱ケミカルは、この認証のもと、化石燃料を使用した原料と植物由来の原料を混合し、マスバランス方式で製品を製造します。これは、特定の原料割合を製品に割り当てて、持続可能な資源利用を促進する手法です。

環境への配慮がもたらす未来

「BiOpreg#500シリーズ」は、スポーツやレジャー用途から始まり、自動車の内外装材などのモビリティ分野へも展開する予定です。特に自動車業界では、環境規制や温室効果ガスの削減が求められており、この新素材がその要件を満たすことを期待されています。植物由来の原料を用いることで車体を軽量化し、資源の消費を抑えることが可能です。

さらなる発展を目指して

三菱ケミカルグループは、ISCC PLUS認証の取得を機に、リサイクル原料やバイオマス原料を利用した持続可能な製品の普及を進める考えです。環境への配慮が強く求められている現代において、「BiOpreg#500シリーズ」は、企業のサステナブルな取り組みを支える強力な武器となるでしょう。

今後も、業界のリーダーとして技術革新を続け、持続可能な未来の実現に向けた取り組みが期待されます。