コンサートレポート:昭和の空気感を再現したASKAのライブ
2026年2月12日、東京国際フォーラムホールAで行われた『ASKA CONCERT 2026 昭和が見ていたクリスマス!?』初日公演。この特別な夜は、ASKAが自身のライフワークの一環として、昭和時代の名曲を再び味わえる貴重な機会となった。過去に2009年と2012年に開催され、大きな反響を呼んだこのコンサートは、14年ぶりに復活。
この日のセットリストは、昭和の名曲を歌い継ぐ構成となっており、豪華なビッグバンドが参加している点が特徴だ。ASKA自身も参加し、総勢39名が織りなす音楽の世界はまさに圧巻の一言。オープニングVTRの後、ASSKAが布施明の「君は薔薇より美しい」を歌い上げると、会場の雰囲気は一瞬にして華やかに。
彼の伸びやかな歌声が響き渡り、会場はまるで時空を超えたかのような感覚を与えた。音楽に広告されたビジュアル演出も相まって、まさに“魔法のような空間”が広がっていた。演奏陣は、まずは指揮・編曲を藤野浩一が手がけ、Newherd Special Big Bandをはじめ、ストリングスチームとコーラス隊も加わり、音楽の奥行きが増す。
次に披露されたのはピンキーとキラーズの「恋の季節」。この曲ではASKAがオリジナルの仕草を交えながら歌い、新しさと懐かしさを見事に融合。昭和歌謡の黄金期を生きたASKAだからこそ、彼の声は多くの観客の心を掴み、歓声が上がった。
ASKAの思い出は、自身の少年時代と重なる。彼は「クリスマスは賑やかで楽しいものだった。」とMCで述べ、観客とともにその思いを共有。昭和を振り返る中で、彼の歌は実体験に基づいた温かな感情が詰まっている。これにより、彼が歌う内容はただの楽曲に留まらず、深いストーリー性を持つ。
次に、湯原昌幸の「雨のバラード」では、ASKAのデリケートな表現力が光る。さらに、タイガースの「廃墟の鳩」などが意外性に富んだアレンジで演奏され、その音楽的多様性に驚かされる。聴くたびに新たな発見があるのもこのコンサートの魅力だ。
後半は、特別ゲストとして登場した岩崎宏美とのデュエットでスタート。二人のハーモニーはまさに夢の共演で、昭和のクリスマスの象徴的な瞬間を生み出す。デュエットの合間に、ASKAのソロパフォーマンスが織り交ぜられることで、観客を飽きさせない工夫がなされている。
チャーミングな姿で見せる岩崎との息の合った演奏は、当日のクリスマスの雰囲気を一層豊かにし、観客とアーティストの距離をぐっと縮めた。余暇の中で核となる瞬間を演出することで、ASKAの音楽は世代を超え、心を豊かにする。
特に「君をのせて」や「木綿のハンカチーフ」といった昭和の名曲は、ASKAの力強いボーカルによって新たな表現を見せる。聴く人々は彼の歌声に安らぎと感動を覚え、過ぎ去りし時代を思い起こす。ラストを飾ったのは、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」。この曲で、ASKAと岩崎は心を一つにし、真摯な気持ちで歌い上げ、感動のフィナーレを迎えた。
コンサートの終わりを迎える頃、観客は温かな拍手とともに、満ちあふれる昭和の名曲からくる希望のエネルギーを感じ取ることができただろう。その夜の空には、昭和の時代に輝いていた星が、未だに明るく放たれているという感覚に皆が浸っていた。
『昭和が見ていたクリスマス!?』は、単なる音楽イベントに留まらず、あの時代の夢や希望を今の世代に届ける旅でもあった。まさに、音楽を通じて時代を超えた感動を体験できた素晴らしい夜だった。