歩行者を中心にした街づくりの未来を探るセミナー開催

歩行者を優先する都市づくりの新たな方向性

2025年11月25日、東京都赤坂で「歩行者優先の都市の広げ方」をテーマにしたセミナーが開催されます。このイベントでは、中央大学理工学部の三浦詩乃准教授をはじめとする専門家たちが一堂に会し、実際の街づくりに役立つ知見を共有します。

セミナーの背景

近年、日本各地で「ウォーカブルな街づくり」が話題になっていますが、実際にはその取り組みは非常に限定的です。特に、公共交通の要所である幹線街路では、あまりにも多くの車と人が交錯しています。そのため、歩行者にとって快適な環境づくりは未だ遅れています。これに対抗して、欧州では幹線街路そのものの交通運用を見直す動きが急速に広がっています。

スローストリートの概念

こうした動きの中で注目されるのが「スローストリート」です。スローストリートは、交通の流れを緩やかにし、歩行者が安心して通行できる空間を提供することを目指しています。具体的には、制限速度を引き下げたり、一方通行にしたり、公共空間の活用を進めたりするなどの方法があります。ブリュッセルの「City30」やロンドンの「Healthy Streets」といった成功例がその典型です。

セミナーのプログラム

当日は、午後2時からスタートし、最初に三浦准教授による講演が行われます。「スローストリートの潮流と効果」というテーマで、海外の優れた事例を元に、日本での実現可能性について詳しく話がされる予定です。その後、パシフィックコンサルタンツ株式会社の上泉俊雄氏が東京都心における候補地についての調査結果を発表します。

終了後にはパネルディスカッションが予定されており、歩行者優先の街づくりの具体的な実現方法について、各講師が専門的な視点から議論を交わします。