K-Culture輸出の現状と今後の展望を探るソン氏の講演レポート
2026年4月26日、東京ガーデンテラス紀尾井町にて行われた「Tech for Impact Summit 2026」で、Crit Venturesの創業者・ジェジュン・ソン氏が特別講演を行い、K-Culture輸出の現状と展望について語りました。韓国の化粧品やWebtoonなど、韓国文化の世界的な影響力が増している中、ソン氏の見解は特に注目されました。
韓国の化粧品輸出が世界第2位に
2025年初頭、韓国の化粧品輸出額は36.1億ドルに達し、アメリカを抜いてフランスに続く世界第2位になりました。この結果は、韓国の美容商品が国際市場で大きな支持を得ていることを示しています。特に、K-Beautyはその革新性を持ち、国際的なトレンドセッターとしての地位を確立しています。
Webtoonの市場拡大
また、Webtoon市場は今や78億ドルに達し、その成長は目覚ましいものです。日本でも人気のデジタル漫画アプリ「ピッコマ」が海外で6億ドル以上の売上を上げていることを考慮すると、韓国のWebtoonが世界中で影響を及ぼしていることは明らかです。ソン氏は、縦読みやチャプター課金といった新しいフォーマットが韓国から生まれたことを強調し、その革新性に注目しました。
NetflixやK-Popの視聴率
講演中、ソン氏はNetflixにおける韓国コンテンツの視聴率が約8%に達するというデータを取り上げました。特に『イカゲーム シーズン2』が8.4億時間もの視聴を記録したことは、韓国文化の影響力を物語っています。また、K-PopはSpotifyでの5年成長率が362%と急成長しており、世界第4位の音楽輸出国である韓国の実力を示しています。
日本と韓国のIP輸出モデルの違い
ソン氏は日本と韓国のIP(知的財産)輸出モデルの違いについても言及し、日本が「クラフト先行・スケール後」という流れで、まず作品を作り上げてから展開していくのに対し、韓国は「スケール先行・クラフト後」というモデルを採用していると説明しました。具体的には、韓国では素人がまずWeb小説を公開し、その中から課金で評価された作品のみが次のステップへ進むという流れが形成されているのです。
日本企業への提言
さらに、ソン氏は日本企業に向けてK-Culture輸出を成功させるための5つの原則を提示しました:
1.
アマチュア・ファースト・プラットフォーム - 専門家が選ぶ前に一般人が創れる場を用意すること。
2.
データ駆動型プロダクション - 各段階において明確な成功指標を設けること。
3.
タレントのシステム化 - 一人のスーパースターではなく、育成のためのシステムに投資すること。
4.
チェックアウトの所有 - カルチャーの出口戦略はコンテンツだけでなく、決済も含むべきであること。
5.
初日からのローカライズ設計 - プロダクトではなく、システム全体を考えた上で進めること。
結論
最後に、ソン氏はAI時代における文化の輸出についても言及し、コンテンツやファッション、ビューティー、トラベルといった分野で韓国が先頭を走る中、日本企業も同様の展開が可能であると述べました。K-Cultureの成長を支える基盤を理解し、今後の展望を見据えた戦略が求められる時代に来ていると言えるでしょう。