駅伝選手支援における革命的技術協力
スポーツテック企業の株式会社ユーフォリアと、大阪大学発のスタートアップ株式会社イムノセンスが協力し、箱根駅伝に向けた駅伝選手のコンディショニングを支援するプロジェクトを始動した。このプロジェクトでは、選手の日々のトレーニングによる疲労やコンディションの変化を、たった10分で可視化することを目的としている。
プロジェクトの目的と概要
この取り組みは、アスリートが厳しいトレーニングの中で蓄積される疲労を即座に把握し、適切な対策を講じることでパフォーマンスを最適化しようというものである。具体的には、イムノセンスが開発した免疫測定技術「GLEIA」(グライア)を駆使し、駅伝選手は唾液中の疲労に関連するバイオマーカーを簡単に測定できる。選手自らがこのデータを取り込み、ユーフォリアが提供するデータ管理システム「ONE TAP SPORTS」に入力することで、トレーニング内容が科学的に分析され、リアルタイムでのフィードバックが得られる。
GLEIA技術による測定
グライア技術は、手のひらサイズの超小型免疫測定器を使用し、唾液中のバイオマーカーを高感度で検出する。これにより、選手は従来の採血による複雑なプロセスから解放され、リアルタイムでの健康状態の把握が実現する。この革新的なデバイスは、感度がなんと1兆分の1グラムという高精度を誇り、アスリートにとって大きなアドバンテージとなるだろう。
アスリートの健康管理をサポートする意義
アスリートにとって、本番前のコンディション調整は非常に重要である。しかし、毎日のトレーニングに伴い、疲労が蓄積せずにベストな状態を維持することは容易ではない。選手が体調不良や故障に悩まされることを少なくするためにも、疲労やストレスの早期検知は欠かせない。このプロジェクトでは、唾液中のデータを活用し、定量的に選手のコンディションを可視化することを目指している。
公式なデータ管理の意義
選手は、ONE TAP SPORTSに自らの体重、睡眠、食事のデータを日々記録し、スマートウォッチと連動したトレーニングデータとともに分析される。これにより、選手は自分のコンディションに対するフィードバックを受け取り、週次で詳細な分析レポートを受け取ることができる。この仕組みによって、選手は適切なトレーニング計画を立てることができ、個々の状態に応じた微調整が可能となる。
今後の展望
ユーフォリアとイムノセンスは、2025年1月の駅伝レースに向けてこのプロジェクトの実証を行うことからスタートし、今後は駅伝選手に限らず、多様なマイナースポーツの選手たちにもシステムを拡張させる考えだ。選手たちの健康的かつ持続的なパフォーマンス向上を実現するために、これからも両社は協力し続けるだろう。
会社概要
- 本社:大阪府吹田市
- 設立:2018年1月
- 事業内容:体外診断用医療機器の開発・製造販売
- URL:
immunosens.com
- 本社:東京都千代田区
- 設立:2008年8月
- 事業内容:スポーツデータ活用に関するシステム開発など
- URL:
eu-phoria.jp
この革新的な試みが、駅伝選手にとって新たな風となることを期待したい。