中古車市場の2025年5月動向
2025年5月の中古車市場は、過去のデータを基にして安定した動きを見せている。この月は国産車の流通と輸出市場にも注目が集まっている。低迷を続けた新車市場とは対照的に、中古車の需要は根強い。このような市場の状況を詳しく掘り下げていこう。
新車・中古車の登録台数について
まず新車登録台数は、2025年5月において前月比で94.5%とやや減少している。昨年の同月と比べると、103.7%という上昇を見せている。これは新車自体の需要が高まっている表れであり、前年同月比で5ヵ月連続の増加に貢献している。対照的に中古車登録台数は93.0%と減少傾向にあり、前年比では96.3%という数値になっている。これは昨年が新車不足で中古車の需要が高まっていた背景も一因であり、今後の市場動向に影響を与える可能性がある。
中古車市場の安定性
2025年5月の中古車市場は、国内の需給の影響を受けながらも、全体的には安定した推移を見せている。特に国内で一部の新車メーカーがシェアを伸ばし中古車の流通量も増えているが、オークション相場が大幅に下落する兆候は見られない。これは国内小売業者による活発な動きが反映されていることを示唆している。
輸出市場の好調
一方で、中古車輸出市場は引き続き好調を維持しており、4月には前年同月比で4.4%の増加を記録し、14万7,283台と3ヶ月連続での増加となった。特にアフリカ地域への輸出が目立ち、この背景には海運事情の改善や急成長を遂げる現地の経済状況が寄与している。また、ロシア向けの輸出も進行中で、第三国を介したルートが増加していることから、日本車の需要は依然として高い。
また、今後はアフリカ市場における人気車種である「ハリアー」や「フォレスター」の輸出が伸び、相場が変動する可能性も指摘されているため、仕入れを考える際には注意が必要だ。
中古車販売のトレンド
さらに、「車選びドットコム」による調査では、中古車の販売ランキングが明らかになっており、国産車の中で軽自動車が依然として1位を占めている。ボディタイプ別では、軽自動車が31.2%を持ち、前月からのシェアを回復。人気モデルのプリウス(トヨタ)が1位に輝き、続いてセレナ(日産)、エブリイ(スズキ)がランキング上位に位置している。
結論
2025年5月の中古車市場は、安定した成長を続ける一方で新車市場に影響される面も見受けられる。特に輸出市場の好調さが国内市場に与える影響を注視する必要がありそうだ。また、中古車を販売する業者にとっては、データを基にした消費動向を把握し、合理的な意思決定を行うことが重要である。この時期にどの車種やタイプが人気なのかを理解することは、賢い仕入れや販売につながるだろう。