中古車市場、高止まりの相場が続く中、前月比で登録台数が減少し続ける理由とは

中古車市場の現状分析と今後の展望

2025年8月、中古車市場は依然として高止まりの状態が続いており、最近のデータによると新車・中古車の登録台数が前月比および前年同月比で減少しています。今回は市場の動向を「車選びドットコム」が発表した統計データに基づき追求してみます。

中古車市場の登録台数の推移

2025年友増における新車登録台数は77.1%、中古車は80.9%と共に減少しています。これは、例年の8月と比較しても大きな減少幅です。前年同月と比較しても新車が91.7%、中古車が98.8%と、両者ともに前年を下回っています。特に新車の販売不足は、中古車市場にネガティブな影響を及ぼし、流通量が減少していることが顕著に表れています。

この減少の原因として、約5年前のコロナ禍における新車販売の落ち込みが影響していると考えられています。当時は新車販売の減少により、今「5年落ち」の中古車が市場に流通しづらくなっています。これにより、オートオークションでの落札価格が高騰し、仕入れが困難な状況に陥っています。

円安と輸出による市場への影響

さらに、円安が進行することで、日本国内での販売よりも輸出の方が高値で取引される傾向が続いています。2025年上半期の中古車輸出台数は80万台を突破し、3年連続で過去最高を記録しています。特にスリランカが5年ぶりに輸入を再開したことや、アフリカ地域の経済成長によって、中古車の需要が加速しています。この動きは、軽自動車の輸出にも顕著であり、これまでの年間5万台規模から昨年は9万台近くに拡大しているのです。

中古車相場と経営課題

中古車相場が高価で維持される一方、物価や人件費の上昇は経営にとっての圧力を増しています。特に仕入れコストの上昇は、販売企業にとって難しい現状をもたらし、利益を確保することが一層困難になっています。このような環境下では、「相場が下がるのを待つ」のではなく、現行の相場を前提にした経営戦略が求められます。そして、このためには市場の動向を的確に把握し、柔軟に対応できる企業への成長が必要不可欠です。

中古車情報サイト「車選びドットコム」の役割

株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営する「車選びドットコム」は、国内の中古車市場に必要な情報を提供しています。このサイトでは、月ごとのデータレポートを発行し、中古車販売店に向けての詳細な情報提供を行っています。過去のデータ分析を通じて市場の変化に迅速に対応できる技術を養い、中古車販売企業が求められる柔軟性を持つ経営を支援しています。

今回の統計データからもわかるように、今後も中古車市場は厳しい状況が続くことが予測されていますが、同時に売り手と買い手がベストな取引ができるようなプラットフォームの提供が何よりも重要だという点を見逃してはいけません。