特別授業の実施について
2023年、福岡市の公立小学校にて、夕方ワイド情報番組「ぎゅっと」の制作チームを招聘し、特別授業が開催されました。この授業は、共育パレット株式会社が運営する「SPOT TEACHER」がコーディネートしたもので、企業の専門家が学校のニーズに応じた出前授業を提供する仕組みです。
今回の特別授業では、番組制作のプロであるプロデューサー、記者、アナウンサーが講師として登壇し、144名の6年生を対象に、情報教育とキャリア教育を融合させた内容が展開されました。参加した子どもたちは、情報がどのように作られ、どんな人々の手を経て届けられるのかを体験し、自分自身が情報とどう向き合うかを考える貴重な時間を過ごしました。
授業の背景
担任の先生がこの特別授業を企画した理由は、テレビが身近な存在である一方で、そこで働く人々の想いや職業の裏側に触れる機会が少ないと感じたからです。授業を通じて、子どもたちが自ら情報を受け取るだけでなく、その背後にある制作過程を理解し、責任を持って情報と向き合う重要性を実感することが目的でした。
授業内容1:番組制作の裏側
授業は、チーフプロデューサーの河相大輔氏による「番組制作の全体像」の講話から始まりました。彼は、プロデューサーが番組を設計する役割について、レストランのオーナーに例えながら語り、実際に2時間の生放送を支える約250名のスタッフがいることを説明しました。この話を聞いた子どもたちは、番組制作が多くの人々の協働によって成り立っていることを知り、ビックリしました。
河相氏の「福岡の魅力を番組を通じて広げたい」という想いも伝わり、子どもたちは情報が“人の意思”によって構築されることを具体的に理解しました。
授業内容2:ニュース制作の重み
次に登壇したのは、アナウンサーかつ記者の吉田裕喜氏です。彼は「1分のニュースを作成するのに、どれだけの時間がかかるか?」という質問を投げかけ、正解は「4時間以上」であり、これには会場から驚きの声が上がりました。情報を正確に届けるために必要な準備や確認の大切さを子どもたちに伝えました。
吉田氏は、「間違いがないか、より分かりやすい言葉を選ぶことがプロの責任」と強調し、子どもたちは情報の重みを実感しました。
授業内容3:アナウンサー体験
後半は、アナウンサーの細谷めぐみ氏が登場し、実践的なワークショップが行われました。彼女はアナウンサーの役割を「リレーのアンカー」に例え、相手に情報を届けるために心がけるべきことを説明しました。
ワークショップでは、体育館全体での発声練習やアナウンサー体験を通じて、「速く読むことよりも相手に届くことが大事」という教えを胸に、児童たちは原稿をゆっくり、明瞭に読み上げることに挑戦しました。言い間違えた際には、訂正をすることも大切な学びとして体験しました。
社会とのつながり
この日の授業の様子は、その後『ぎゅっと』のニュース内で1分間の特集として放送され、子どもたちは自分たちの学びがどのように社会に届くかを間近で体験しました。授業を通して学んだ「情報を発信する責任」を再認識し、どのように情報と向き合うかについても考える良い機会となりました。
アンケート結果
授業後のアンケートでは、98%の児童が「おもしろかった」と回答し、90%が「将来の仕事について考えたい」と感じたことがわかりました。さらに、100%の児童が「普段の勉強や生活に役立つと思う」と回答し、情報教育が子どもたちの興味を引き出し、意欲を高める効果があったことが示されました。
今後の展望
これまでの授業や取り組みを通じて、SPOT TEACHERは企業と学校の新たな連携を模索し、子どもたちの学びを拡大する機会を提供し続けます。放送局とのつながりによって、情報の重要性やメディアに対する理解を深める活動が今後も展開されることでしょう。このような体験が、学校教育に新たな視点と楽しさをもたらし、次世代の人材育成に寄与していくことを期待しています。