生成AIと肖像権
2026-06-25 15:52:44

生成AIが招く肖像権侵害の実態と業界の対応状況を探る

近年、生成AI技術の進展とSNSの普及が相まって、肖像権やパブリシティ権の侵害が深刻な問題となっています。この状況を受けて、特定非営利活動法人 肖像パブリシティ権擁護監視機構は、2025年度に行った実態調査の結果を発表しました。調査は2025年4月から2026年3月にかけて、SNS(TikTokやX、YouTube)や、画像生成AIプラットフォーム(sea art AIやPixAI)の投稿を中心に行われました。

侵害疑義事案の実態


調査の結果、主要SNSにおける肖像権やパブリシティ権の侵害を示す投稿数は延べ4万件以上、合計の閲覧回数は約3.35億回にも達しました。また、声の無断利用についても多言語のケースが散見され、問題は国際的な広がりを見せています。特に画像生成AIプラットフォームでは、芸能人などの肖像を基にしたモデルが無断で作成される事例が続いています。

削除対応の実証


本年度は、削除対象とするモデル自体に焦点を当てた実証も行われました。具体的には、特定の俳優の肖像を使用したモデル20件に対し、芸能事務所の協力のもと削除申請を実施。その結果、すべてのモデルが削除され、削除率は100%という成果を達成しました。しかし、削除後も新たなモデルの投稿が確認されており、一度の削除サービスでは完全な解決には至らないことが示されました。持続的かつ迅速なモニタリングが必要です。

経済的損失の試算


今回の調査に基づくと、SNS上での肖像権・パブリシティ権の侵害による潜在的な経済的損失は約20億から45億円に上ると試算されました。ただしこれは全体の規模を示すものではなく、調査で確認された範囲における保守的な試算であり、さらに多くの見落としがあると考えられます。

業界の反応


174社へのアンケート調査によると、侵害事案を全て把握している事務所はわずか28%で、リソース面からも完全把握が難しいといった声が多く寄せられました。また、業界全体での対応ガイドラインの策定が遅れており、約52%の事務所は今後の検討段階に留まっています。その一方で、適切な管理の下での肖像権の利用に対して前向きな姿勢を示す事務所も多く見受けられました。

この調査結果からも見えるように、生成AI技術の進展は肖像権やパブリシティ権の扱いに新たな課題をもたらしています。肖像権を守るための指針やルールの整備が急務であり、今後も業界全体での連携が求められています。特定非営利活動法人 肖像パブリシティ権擁護監視機構は、この問題への取り組みをさらに強化し、業界全体の持続可能な発展を促進する方針です。

お問い合わせ


本調査についての詳細は、特定非営利活動法人 肖像パブリシティ権擁護監視機構までお知らせください。私たちは今後も調査を続け、肖像権保護及びパブリシティ権に関する啓発活動に力を入れていく所存です。


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