日本とラテンアメリカの歴史を深く理解するための教養講座開催

第23回ラテンアメリカ教養講座「日本とラテンアメリカの絆：35年の歩みを振り返って」

2025年の6月から7月にかけて、京都外国語大学では「日本とラテンアメリカの絆」をテーマにした教養講座が開催されました。本講座は、移住、ビジネス、音楽、日系人の動向など多様なトピックスを通じて、日本とラテンアメリカの文化的理解を深めることを目的としています。全4回にわたり、一般の方や学生が無料で参加できるという形式が特徴です。

開催概要

- 開催日時: 2025年6月13日から毎週金曜日、18:00～19:30
- 開催場所: 京都外国語大学 1号館7階小ホールおよび9号館インターナショナルホール
- 対象: 一般市民・学生
- 料金: 無料、申込不要

各回の講演内容

第1回 (6月13日):「日系人の来日と日本社会の変化」

講演者: 伊藤秋仁氏（京都外国語大学ラテンアメリカ研究センター長）
このセッションでは、日系人の日本への移住がどのように日本社会に影響を与え、変化をもたらしてきたのかについての解説が行われました。移住者の視点から日本社会の変遷を考察し、日系人が果たした役割を明らかにしました。

第2回 (6月20日):「日本で暮らすブラジルルーツの若者たち」

講演者: 北川ぺドロソ実萌氏（immi lab代表）
この講演では、日本に住むブラジルルーツの若者たちの文化的な課題や、彼らとの対話を通じて得られた貴重な洞察が紹介されました。特定の問題や地域での出来事を通じて、異なる文化が交差する瞬間を感じることができる内容でした。

第3回 (6月27日):「音楽は世界をつなぐ」

講演者: フローレスデュオ（フレディ・フローレス氏、ヘスス・フローレス氏）
ラテン音楽が持つコミュニケーションの力について、講演と実演を交えながら紹介されました。音楽には国境を越える力があり、文化交流の架け橋となる様子が生き生きと描かれました。

第4回 (7月4日):「日系移民のコミュニティ」

講演者: 神里雄大氏（劇作家、舞台演出家）
この講座では、日系移民のコミュニティに焦点を当て、その経験と価値観を深堀りする内容でした。移民としての背景を持つ人々の視点から、日本社会における位置づけや、彼らが抱える問題を考察しました。

まとめ

この一連の講座を通じて、1990年以降の日本とラテンアメリカの関係性、多様な文化が交わる場としての日本の現状を考える貴重な機会となりました。参加者はそれぞれの立場で、異なる視点からの意見交換を行い、新たな知見を得ることができました。文化的理解を促進するイベントとして、今後も継続的に期待される内容です。