日本のライブエンターテインメントを読み解く新刊『ACPCオフィシャル日本コンサート・ヒストリー』

日本のライブエンターテインメントの歴史に迫る新刊

2023年5月16日、音楽ファンや業界関係者に嬉しい新刊が登場しました。コンサートプロモーターの視点から日本のライブ・エンタテインメントの歴史を綴ったムック『ACPCオフィシャル日本コンサート・ヒストリー』です。この本は、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会によって編纂され、日本の音楽シーンがどのように形成され、現在に至るまでの軌跡を詳細に紹介しています。

戦後から現在までの音楽の変遷

本書では、日本のライブ・エンタテインメントの興りを、戦後復興期の米軍キャンプや日劇ウエスタン・カーニバルに遡ります。この時期、国内に初めて海外アーティストの公演が行われ、日本の音楽シーンに新たな風が吹き込みました。そして、その後のフォークやロックの到来が、全国に広がるコンサートプロモーターの活動にどのように影響を与えたのかが、時系列に沿って描かれています。

ライブの大規模化と環境の変化

時代が進むにつれ、ライブイベントは大規模化し、チケットサービスも整備されていきます。現在では、「ライブ・エンタテインメントの時代」とも呼ばれる多様な音楽シーンが広がり、各地でさまざまなフェスティバルが開催されています。これらの変化はプロモーターたちの努力の賜物であり、彼らの挑戦と成長が本書には色濃く反映されています。

貴重な証言とリアルな思い

さらに、本書の特徴は、全国を代表する１３名のコンサートプロモーターの証言が収められている点です。彼らは現場で直面してきた多くの課題について、自らの信念と思いを語っています。チケット転売問題や自然災害、そしてコロナ禍におけるライブイベントの難しさなど、業界の厳しい現実にも触れられています。

未来への展望

『ACPCオフィシャル日本コンサート・ヒストリー』は、ただの過去の記録ではなく、ライブ・エンタテインメントの現在地を見つめ、未来について考える機会を提供してくれます。エンタメ業界で活動するすべての人々にとって、読み応えのある一冊となることでしょう。音楽の裏側にあるストーリーや、プロモーターたちの情熱を感じながら、ライブ・エンターテインメントの魅力に改めて触れてみてはいかがでしょうか。