KAAT神奈川芸術劇場音楽劇『未練の幽霊と怪物』開幕
神奈川県横浜市のKAAT(神奈川芸術劇場)において、話題の音楽劇『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』が2026年2月13日に開幕しました。この作品は、現代演劇の最前線で活躍する岡田利規が手がけたもので、能に着想を得た新たな舞台芸術として注目されています。
能の伝統と現代への融合
本作は、特に「夢幻能」の形式を基盤にしており、見えない存在や霊的なアイデンティティを通じて現代社会が抱える様々な問題を提起します。その中で、主要な登場キャラクターとして描かれるのが「シテ」としての幽霊たちです。彼らは、社会的、政治的な背景によって成仏できず、未練を持って生き続ける存在として舞台上に展開されます。
本作は「珊瑚」と「円山町」の2つのエピソードで構成されており、前者は埋め立てが進む辺野古に生息していた珊瑚を、後者は社会に翻弄された女性の物語を描きます。岡田がこのテーマをどのように掘り下げ、現代の視点から問いかけているのか、観客に深く考えさせるコンテンツとなっています。
豪華な出演陣
主役の「シテ」を演じるのは、アオイヤマダと小栗基裕(s**t kingz)で、彼らの表現力がこの作品の核心を成しています。また、脇役には石倉来輝、七瀬恋彩、清島千楓といった若手俳優たちも名を連ねており、彼らのパフォーマンスは必見です。さらに、片桐はいりが第一弾から続投し、謡手としての役割を担っています。音楽は前作に引き続き内橋和久が担当し、彼のスタイルが作品の雰囲気に独特の彩りを添えています。
音楽と共に生まれるイリュージョン
内橋の音楽は、能楽の表現技法を尊重しながらも、新たなハーモニーを導入することで作品に多様性を持たせています。彼は特にダクソフォンという楽器に注力し、その音色で観客の想像力を刺激することを試みています。内橋が語るように、音楽は観客の想像を掻き立て、演技や舞踊との相乗効果を生むことで、極めてユニークな表現を創出しています。
使われる動作や言葉はすべて芸術としての完成度を高める要素であり、目の前の空間に新たな世界を構築します。公演後にはアフタートークも予定されており、観客と演者による直接的な交流が期待されています。
開幕を祝う言葉
岡田利規は開幕に際し、丁寧な創作プロセスを通じて、多くのことを学び、役者たちとのコミュニケーションを大切にしてきたと述べています。彼の言葉からは、観客への理解を深め、深い感動を与えたいという思いが感じ取れます。
観客は、シンプルながらも深遠なテーマに触れ、岡田が提示する幽玄の世界を体感することができるでしょう。
更には、小栗基裕が語る「必要なのは、言葉、音楽、演者、空間、そして観客である」という言葉からも、この作品が互いに信頼を寄せるコミュニティに築かれていることが伺えます。
振り返れば本作のツアー公演など、さらなる展開にも目が離せません。ぜひ、一緒にこの幻想的な音楽劇を体感し、岡田利規の挑戦を目撃してください。
肩の力を抜いて、KAAT神奈川芸術劇場での『未練の幽霊と怪物』は、感情を揺さぶられる貴重な体験を提供することでしょう。心からの体験を求める方々に、この作品はまさに最適です!