2025年上期の中古車市場動向と売上ランキング
2025年の上期が終了し、中古車市場は新たな局面を迎えています。株式会社ファブリカホールディングスが運営する中古車情報サイト「車選びドットコム」が発表したデータによると、市場は前年同期を大きく上回り、特にオークションにおいては出品台数が増加しました。
新車・中古車登録台数の推移
2025年6月のデータを見てみると、新車登録台数は393,162台と前年同月比で105.2%の増加となりました。一方、中古車登録台数も535,385台と105.8%となっています。この傾向は5月からも引き継がれ、前年同期との比較でも持続的な成長が見られます。
売上にみる新車と中古車の動向
また、新車は2025年に入ってから6ヶ月連続で前年を上回っており、供給が安定していることが示唆されています。しかし、中古車の販売には新車販売と連動する形で変化が見られ、特に在庫確保の困難さが中小の中古車販売業者に影響を与えています。
オークション市場の動向
2025年上期における中古車オークションの主要4社全てで出品台数が前年を上回る状況が続いています。特にUSS(ユーズドカーサプライサービス)は前年比15.8%増の178万台という過去10年間で最高の数字を記録しました。
この背景には、「デジタル出品」技術の向上と新車販売の回復による下取り車両の増加があると言われています。これにより、成約率は全体的に低下傾向にありますが、成約単価も下降しているため、今後の相場がより安定していく可能性があります。
大手対中小販売業者の動き
大手中古車販売店は新車販売の増加に伴い、安定した在庫を保持しているのに対し、中小販売店は在庫確保に苦しむことが多くなっています。オークションでの仕入れ価格が高止まりしているため、平均成約単価は前年比2.2%増ながらも、実際には経営を圧迫する要因となっています。
特に上期の自動車関連の倒産件数は過去10年で最多との報告もあり、中小企業への影響が懸念されています。上期には経営環境が厳しいなかでも、コンスタントに販売を伸ばしている業者には顧客管理の徹底という共通点があります。
中古車販売の人気トップランキング
「車選びドットコム」によると、2025年6月の国産車の中古車販売ランキングは以下のようになっています:
1位:プリウス(トヨタ)
2位:セレナ(日産)
3位:ステップワゴン(ホンダ)
軽自動車が人気を持続している一方で、ミニバンやコンパクトカーに対する人気も見逃せません。特にプリウスは長年にわたり安定した人気を誇っており、中古市場でもその傾向が顕著です。
まとめ
2025年上期の中古車市場は、新車・中古車ともに好調な状態が続いていますが、一方で大手と中小の間には明確な競争力の差が生じています。顧客一人ひとりに対する精度高いアプローチが求められる中、安定した経営戦略を模索することが、中古車販売業界の今後において必要不可欠であると言えるでしょう。今後の市況にも注目が集まります。