高校生が手がけた温かいロゴが生まれた理由と挑戦
福井県あわら市で新たに始まる市民参加型スポーツイベント、「AWARAんぴっく」。このイベントのロゴを担当したのは、県立金津高校美術部の3年生、原唯月さんと開高愛佳さんの2人です。彼女たちがこのプロジェクトにかけた情熱と努力は、まさに地域とスポーツが融合した温かい作品になりました。
制作のきっかけと理念
「AWARAんぴっく」は、地域の人々が一緒に楽しむイベントとして、市民の参加を促進することを目的としています。そのロゴ制作において、原さんは、細かい絵を好む一方で、シンプルなデザインに挑戦することの難しさを実感しました。「ロゴは一目でわかることが大事だと再三アドバイスを受けたんですが、シンプルにするのは難しかった」と語ります。
彼女が描いたロゴには、老若男女を表現した人々の姿が温かみに溢れて描かれており、特に中心には子どもを、周りには大人たちを配置し、「家族」が地域みんなで楽しむ姿を象徴しています。「地域で皆が一緒に楽しめる時間を作りたい」との思いが込められています。また、AWARAの文字を取り入れることで、ロゴ全体に一体感を持たせています。
開高愛佳さんのデジタルアプローチ
もう一人のアーティスト、開高愛佳さんは、デジタルアートを得意とし、曲線の美しさとグラデーションを取り入れた作品で感動を呼びました。彼女は、3つのロゴ案を提案しました。1つ目は「AWARAんぴっく」を意識して5つの丸を重ねたデザインで、真ん中の白い部分があわらのWを表現しています。
2つ目は「あわらのA」をモチーフにトラックをイメージし、親しみやすさを大切にしたデザイン。最後の案は、走る足と草原の緑を使って「あわらのA」を形作り、連想ゲームのようにアイデアを発展させたものです。「地域やスポーツのイメージのバランスを取るのは本当に難しかった」と、開高さんも制作の苦労を振り返ります。
学びと成長の場
このプロジェクトの中で、原さんと開高さんは、自分の情熱を作品に込めつつ、他人からの依頼による制作の難しさも痛感したようです。「自由に描くことと、他人のために描くことには違いがある」と話し、その経験が彼女たちの成長に繋がったことを強調しました。
市の担当者は、「彼女たちには、自分の好きなものを描くことと、他人の期待に応える難しさ、その上で自分の作品が世に出るという貴重な体験をしてほしかった」と話しています。その姿勢から、若者の挑戦を応援するあたたかさが伺えます。
完成したロゴの展望
最終的に完成したロゴは、今後、イベントのポスターとして広く展開される予定です。市内のあちらこちらで見ることができるこのロゴは、彼女たちの手描きの温もりが感じられる作品です。この手作り感は、あわら市に住む人々や訪れる人々に幸福感を与えること間違いなしです。
今後のAWARAんぴっく
- - 名称:AWARAんぴっく~スポーツの祭典~
- - 開催日:2025年10月5日(日) 9:00~15:00
- - 会場:トリムパークかなづ(福井県あわら市)
- - 主催:あわら市教育委員会
- - 参加費:無料(一部体験ブースは要申込)
完成したロゴがどのように地域を盛り上げ、訪れる人々を楽しませるのか、今から楽しみでなりません。彼女たちの次なる作品も期待しています。